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代表的キットの直し方 アカデミー 1/72 P-51D ムスタング(新)
イタレリ 1/72 F-51D ムスタング

ハセガワ 1/72 P-51D ムスタング
リンドバーグ 1/72 P-51B&D ムスタング
エアフィックス 1/72 P-51D ムスタング(旧)
アカデミー 1/72 P-51D ムスタング(旧)
マッチボックス 1/72 P-51D ムスタング
エレール 1/72 P-51D ムスタング
モデルニュース(Model News) 1/72 P-51H

イタレリ 1/72 P-51 ムスタング
エアフィックス 1/72 P-51D ムスタング(前)
エアフィックス 1/72 P-51D ムスタング(新)
ハセガワ 1/72 P-51B ムスタング
アカデミー 1/72 P-51&B/C ムスタング
KP 1/72 P-51B/C & ムスタング Mk.III
モノグラム 1/72 P-51B Mustang
ブレンガン 1/72 A-36 APACHE
アカデミー 1/72 P-51 MUSTANG

童友社 1/100 P-51D ムスタング

エフトイズ(F-toys) 1/144 P-51D MUSTANG

P-51&F-82キット製作記事掲載誌一覧
ボックスアートデータ
タミヤ(TAMIYA) 1/48 P-51D MUSTANG
テスター/旧ホーク(TESTORS/HAWK) 1/48 P-51D MUSTANG
マルサン/フジ(MARUSAN/Fuji) 1/48 P-51D ムスタング
モノグラム(MONOGRAM) 1/48 P-51B MUSTANG
プロモデラー(PROMODELER) 1/48 P-51B MUSTANG
オーロラ(AURORA) 1/48 P-51H ムスタング

ヒストリック(HiPM) 1/48 P-51H ムスタング
ニチモ(NICHIMO) 1/48 P-51D MUSTANG
オータキ(OTAKI) 1/48 P-51D MUSTANG
ハセガワ(HASEGAWA) 1/48 P-51D/K ムスタング
コグレ-バンダイ(KOGURE-BANDAI) 1/48 P-51D ムスタング
モノグラム(MONOGRAM) 1/48 P-51D MUSTANG
レベル (Revell) 1/48 P-51D MUSTANG
ペガサス(PEGASUS HOBBIES) E-Z Snapz 1/48 P-51B Mustang
タミヤ(TAMIYA) 1/48 NORTH AMERICAN P-51B / MUSTANG III
アキュレイト・ミニチュア(ACCURATE MINIATURES) 1/48 P-51B/C
モン(MENG) 1/48 P-51D/K MUSTANG FIGHTER
エアフィックス(AIRFIX) 1/48 NORTH AMERICAN P-51DMUSTANG

レベル(Revell) 1/32 P-51D-5NA Mustang
2004/05/10記
2018/08/20追記
ハセガワ 1/72 P-51B/C ムスタング by 友野 升太

初版 ハセガワ #AP11(51311)
ハセガワ #AP12(51312)
ハセガワ #SP108(51608)
 
改訂版 &限定版 ハセガワ #AP163(52063)
ハセガワ #AP105(51365)
ハセガワ #AP117(51377)
ハセガワ #SP121(51621)
ハセガワ #SP128(51628)
ハセガワ #AP154
ハセガワ #00279
ハセガワ #00685
ハセガワ #00689
ハセガワ #01957
(2011年10月デカール替え限定再販)
ハセガワ #01985
 2012年4月24日限定発売
ハセガワ #02054
2013年7月6日限定発売
ハセガワ #02155
2015年5月21日限定発売
セガワ #02215
2016年10月31日限定発売

◎ 始 め に …

 え〜、表題では直し方なんて難しそうに書いてありますが、実はそんなに難しい事が書いてあるわけではありません。 直し方というよりは、私はどこを直したか…というご報告程度だと思って下さると助かります。
なぜなら模型は、いかに自分がいだいているイメージに近づけるかだと思っていますので、私と同じように直しても、皆さんがそれぞれお持ちのP-51B のイメージにピッタリと合うことは難しいのではないかと思うからです。
 どうぞその点をお含みおきのうえ、あなたのイメージどうりのムスタングをお造りになるときに、お役にたつ部分は参考に、そうでない部分は切り捨ててお読みください。

 また、このキットは発売から一年足らずで、金型の一部を改修した改訂版のキットが発売されていますので、上のボックスアートやキットナンバー、そしてこの記事内の[初版と改訂版]の項を参考にしてください。

  尚、実機についての解説などは、製作に関係のある部分以外は省かしていただきますので、予め御了承ください。


  仮 組 み

 
まず、セロテープを用意して胴体、主翼、尾翼、スピナー、キャノピー、空気取入口をランナーから切り離して大まかな仮組みをします。  この時、機首下面の空気取入口も忘れずに組んやってください。  機首周りのイメージ形成に重要なパーツですので…。
 もちろん御自分なりの明確なイメージと、信頼できるとお思いの図面をお持ちの方は、定規をあてて、各パーツの寸法を測るところから入ってもいいと思いますが、私はまず全体のイメージから入ります。
 寸法はイメージと違う部分が有ったときに、全体との比率を出すために、測ることにしています。 これは、細かい寸法にこだわって造ったものが、必ずしもイメージどうりとはならないと思えるからです。
まあ、この点に関しては異論のある方もおいでとは思いますが、もしスケールモデルが、単に実物の寸法を縮尺どうりに縮めただけのもので良いのならどこのメーカーが出しても、全く同じものになってくるはずだと思います。 しかし、実際にはそのメーカーの特色や、携わった方達によって、かなり感じが違ってきてしまいます。

ですから、私はここが何mm大きいとか小さいとかではなく、このメーカーはこの機体をこう捉えて、こっちのメーカーはこう捉えたのだという、捉え方や表現の違いが自分のイメージに合うかどうかを仮組みで確認するわけです。
もちろん、幾つものメーカーが同じアイテムを出すより、寸法の正確な縮尺のキット(たとえ似ていなくても……)を、一アイテム一社だけが出してくれた方がいいとは思いますが……そうすれば結果的にトータルのアイテム数が増えますし、造り手が自分たちのイメージにあわせて修正していけば良いのですから……。
 さて、仮組みしたキットをあちこちから眺めてみますと、前上方から見るとグリフォンエンジン搭載のスピットファイアに、そして後ろ斜め上方から見るとメッサーのBf108 タイフーンに似ていることに気がつきました。
ではそれが何処から来ているのか・・・ここで定規やノギス、デバイダー等が活躍します。
 その結果、前方からスピナキャップの長過ぎと尖り過ぎ、機首上面の角張り過ぎ、機首の寸足らずと太すぎ、ウインドウ・シ−ルド下端のラインが直線すぎ、主翼付け根の張り出し過ぎとひねり下げの不足、主翼先端の角張り過ぎ、主脚カバーの大き過ぎ、後部胴体の長過ぎ、全長の不足等が判明いたしました。
それらの結果を考慮して、もう一度仮組みした機体を眺め廻すと、どこをどう直せば良いのかが、自ずと見えてきます。

 ところで、このキット発売時のニューキットレビューには、それ以前に初期のモノグラムの1/48の正しいB型の主脚収納孔や主車輪カバーの形状を間違っているとして、わざわざ間違ったD型状に直してしまわれたライター氏が、「そんなに多くないが、この付け根の大きいB型の機体はある」みたいなことを書いてメーカーを擁護していたのを見て、この人は本当にちゃんと調べていらっしゃるんだろうか ? それとも本当のことを書きたくても書けない "大人の事情" でもあるのだろうか・・・(苦笑)
などと笑っていましたら、さすがにメーカーさんのほうが恥ずかしくなったのか、現在ではこの 1/72のB型 は定番カタログから落としてしまい、スポット生産として限定販売するだけ(しかも2015年や2016年には改修を重ねたであろうエアレーサー)にしてしまいましたね・・・(^^ゞ

◎ 修 正 開 始

 まずスピナキャップですが、後からプロペラブレードを差し込み、胴体に挿すだけの方式ですので、二分割のものを接着してしまいます。 この時、ブレードの穴に多少食い違いが出ますので、注意して一番少ない位置に合わせてください。
スピナの加工はドレメル等の電動工具があると便利で、時間も短縮できます。 マルイの組立式電動ドリルでも結構ですから、ぜひセンターのぶれないものを一つ御用意ください、後でご紹介する識別灯の作成にも利用できますので !
もちろん腕に自信のある方は手で仕上げてくださって構いませんが……
 私は電動工具を使いましたので、取り敢えずスピナの軸をチャックにくわえさせて回転させ、板に貼った耐水ペーパーに先端をあて、0.7mm 程削り、断面形を尖らさないように緩いカーブに仕上げていきます。
電動工具でしたらこの間約15秒位でできてしまいます。 但し、力任せにペーパー板に押しつけて、スピナの軸を折らないように気をつけてください。
また、耐水ペーパーですが、私は主に使い古した#320というのを使っていますが、これは御自分の使いやすい番手を用意してください、ごく一般的には#600〜#800と仕上用に #1000〜#1200を用意しておけばよいと思います。

 さて次に胴体へ移りますが、こちらはスピナほど簡単にはいきません。
まず、カミソリノコで胴体の二カ所を切断します。一カ所は尾輪の収納庫の前、ぐるりと筋彫りの入っているところに沿って、切断します。
もう一カ所は主翼の取り付け部前端を真上に延長した線で輪切りにします。 これで胴体が三分割(機首空気取入口を入れると四分割)された訳です。
 先程、カミソリノコでと書きましたが、私は面倒だったのでカッターで筋を入れて、手でパキンと折ってしまいました。 少々荒っぽいですが、度胸さえ決まれば、綺麗で手っ取り早い方法だと思います。
さて、尾輪収納庫前の切断面は0.8mm程削り、背の部分を合わせて再接着をします。  こうすれば径が小さくなった分はパーツA10 の調整で対処できるわけです。
 次に機首部分の切断部ですが、ここには1.2mm のプラバンを主翼の接合部まで一緒になるように、はさんで再接着し、スムーズにつながるように整形しておきます。
ただ、これだけでは寸足らずと太すぎの解消にはなりませんので、スピナの根元が一回り小さいのを利用して機首先端と機首空気取り入れ口の接合面にも 1.2mmプラバンを接着します。 なお、機首空気取り入れ口を接着する際に上部を 0.5mm程削っておいて機首下面のラインがなだらかに上がるようにしておきます。
 これでスピナから機首につながるラインを整形するときに機首上面両側の角張りも軽く丸めておけば、寸足らずと太すぎのバランス的な解消と共に角張り過ぎの修正も完了します。
 その他に翼の付け根前方の裏側に付け根を後方に移動させる際の下準備として 1.2mmプラバンの余りを裏打ちとして貼っておきます。
以上が胴体関係の主な修正点です。
それと、機首下面の小さなキズ状の筋彫りですが、これは機体によって、また状況によって違いますので、一概には言えません。  エア・フィルターとも関係がありますので、詳しいことは筋彫りの所で話させていただきます。 

さて次に主翼ですが、翼端の角張りはなだらかなアールに削り直して整形してやるだけでよいと思います。 なにしろ、一番大変な主翼付け根の張り出しと脚周り等の修正がありますので……。

 この主翼付け根の張り出しを含む脚周りというのは、このキットの発売前に、ホビーショーで展示されていたテストショットを拝見した時、『気が付いたことがあったら言ってください』と、メーカーの担当者に言われましたので、一目で気付いた「主翼付け根の張り出しが大きく、主脚の収納孔もD型のものになっていること」をとりあえず忠告させていただいたのですが、発売になった製品は収納孔の形だけを無理矢理 B型のように前に広げてしまっただけのおかしなキットでした。
 
そんなキットですが、キット発売時のモデルアート誌(1993年1月号)のニューキットレビューには前述のように、それ以前 (1991年8月号のモデルアート) に モノグラムの1/48 の正しいB型の主脚収納孔や主車輪カバーの形状を間違っているとしてわざわざ D型状に直したライター氏が、「そんなに多くないが、この付け根の大きいB型の機体はある」みたいなことを言っていて、発売当時からしばらくはそのままで売られていましたが、結局今では、ハセガワは 1/72のB型 は定番カタログから落としてしまい、スポット生産として限定販売するだけ (しかも2015年には改修を重ねたであろうエアレーサー) にしてしまいましたが、あのときにチャント直していたら、きっと決定版としていつまでも君臨できたでしょうにね・・・まぁ、そのおかげでレジン製の修正パーツを発売できたんですけどねッ !!(笑)

 また、そのライター氏はこのキット発売時のモデルアート誌 (1993年1月号) のニューキットレビューの記事の中で「この部分は機体の上方からの写真でもないとどちらのタイプか判別し難く、また大してイメージが異なるわけでもないので、あまり気にせずマーキングを楽しんだほうがよいだろう。」と最後は逃げを打っています・・・でも全然イメージ異なりますからッ !
 このライター氏、前述の モノグラム 1/48 の正しいB型 の主脚収納孔や主車輪カバーの形状を自分で D型状に直した記事のときは、鬼の首を取ったかように 「古いから間違えてるッ !!」 って言い放っていたのに・・・(ーー;)

 ハッキリ言って、そんな機体があるとすれば、何機かのパーツを組み合わせたレストアの段階でできたものであろうし、少なくとも当時の生産ラインの中で造られることはなかったと思います。 ではなぜそのような勘違いが生じたのかというと、これはこの後で書いた修正を行ったキットを写真と同じ角度から眺めていただいたり、B型とD型の主翼付け根の張り出しの違い をお読みになられた上で、多くのC型までの張り出しの付け根部分や 「R.T.エックフェルト中尉機"BALD EAGLE"の塗装」 でお借りした B型 の同じ機体を前上方からと後下方から写した写真をよく見ていただくと、スグに解ります !

 1961年に発売している 1/32 D型のキットで正しい張り出しと収納庫形状を表現していて、ムスタングに異常なほどのこだわりを持っているとしか思えないモノグラム社が、その 6〜7年後に出している 1/48と1/72の B型 で、付根の張り出しと収納庫形状を変更しているのはなぜだろうと思ってちょっと調べてみれば、当時まだガキンチョだった僕にでさえ、B型 と D型 では形状が違っているからだと判ることでしたのに・・・

 で、その脚収納庫周りですが、まずハセガワがあわてて前方に伸ばした分の主車輪の収納部前部に合わせた、幅 2mmの眉状の部品をプラバンから切り出します。 厚さは1.2mm に 0.5mmを重ねたものを、その部分に張りつけてから整形します。 主脚カバーも整形した収納庫の形状にあわせて、おもに前端を削るようにして縮めておきます。

 ついでに主翼の細かい部分、翼端灯や識別灯の修正をしておきます。
余談ですが、この敵味方識別灯の位置の間違いも、前述のライター氏がD型と混同して作例を作ったときの間違いに酷似していて苦笑させられます ! (MA誌 1991年8月号 をお持ちの方は P.12 の翼端下面の写真をご参照ください。)
翼端灯はそれぞれ位置を 2mmづつ後ろに下げ、識別灯は伸ばしランナー (丸棒)をたてて埋め、4mm ほど胴体側に平行移動をします。  その際に使い捨てライターの細切りを電動工具にくわえさせて削り出しをした、それぞれの色 (赤、緑、アンバー)の丸棒を埋め込むと、それらしい雰囲気になります。また、張り出し前部を削るときのために、主翼上面パーツの張り出しの裏側部分にプラバンで裏打ちをしておきます。  なお、上下面を接着するときは作成する機体のパイロンの有無を確認して、必要なら取り付け穴を開けておくことをお忘れなく。

以上の作業が終わりましたら、胴体と接着、或いは仮止めをして、付け根張り出し部の修正を行いますが、下の主翼付け根の張り出しを正しい大きさに落としてから取り付けて成形するのが手っ取り早いやり方かもしれません。

 まず主翼上面の張り出し部に平行に引かれた筋彫りの起点の部分から対角線に、張り出しがなだらかになるように切り落とします。
それにあわせて、胴体部の付け根部分も整形していきますが、この時に気をつけなければならないのが、張り出し部分のひねり下げです。  今までの多くの書籍ではこの部分を明確にしていませんが、翼の付け根前方に向かって、かなりの角度でキャンバーがついています、ほとんど下面の線まで。
したがってこの部分のみは層流翼を無視して、胴体との接合部で、本来の接合線よりも1mm ほど下がるように、張り出し部をひねり下げ (削ぎ下げ) ます。
  これが A〜C 型までのP-51を斜め前上方から見たときに、D 型の様に大きな張り出しを持った機体があると錯覚させる原因となっているということが、[P-51 MUSTANG 実機について] の 「B型とD型の主翼付け根の張り出しの違い」 の解説や 「R.T.エックフェルト中尉機"BALD EAGLE"の塗装」 の二枚の写真で解ると思います。
 この修正が比較的簡単にできたのは、ハセガワが張り出しを D型と同じ大きさにしたのを、ムリヤリ B型風に直しただけという無茶苦茶なミスのおかげと言えるのは皮肉です。
 モノグラムのB型のキットは昔からこれを表現しようとして、わざわざ付け根部分の前縁を薄くしてあるのですが、その意図は長い間 「翼付け根の断面形がおかしい」 という間違った評価になってしまい、現在に至っても理解されていないようです。
アキュレイト・ミニチュアはこの部分をちゃんと表現していますが、タミヤは万全の自信が無かったのか、それとも間違った批評をされるのを恐れたのかは判りませんが、控えめな表現にとどめてしまっています。 そして、残念なことにタミヤを参考にしてしまった ICM のキットも、タミヤと同じ程度にしか表現していません・・・アキュレイト・ミニチュアのほうをコピーすればよかったのにねッ、残念ッ !!
 ちなみに D型以降ではこのひねり下げは無く、層流翼型のまま胴体部とつながりますので、お間違えなく……!

なお、先程書き落としましたが、主翼下面の薬莢排出孔とその前の小さな穴は、間違いですので識別灯等の加工の際に一緒に埋めておきます。

 このほか、主脚カバー内側のモールドが違っていますので、カバーを開いた (油圧が働いていない)状態にする方や気になる方は、プラペーパーやパテを薄く使ってモールドを変更してください。
もちろん閉じた状態に固定して筋彫りを入れ直して表現するだけにしたほうが内側のモールドを直す必要も無くてズッと楽ですが、張り出し部を削るときにカバーの前端ギリギリまで削りますので主車輪カバーはキッチリ接着しておいてください。
 排気管の位置の後退が気になる方は、取り付け部と胴体の穴の位置を削って調節してください。 但し、最初の位置まで戻すと前過ぎになり、バランスが崩れますので、お気を付けて。

それと、ウインドシールドの角度が寝すぎているとか、キャノピー部分が大きいというキット評も見受けられ、そのとおりだと思う方もおいでかと思いますが、前述の機首の延長と後部胴体の短縮をおこなった後だとバランス的には悪くないと思いますので、私はそのままにしました。
 また、キャノピー左側下部に付いている小さな二つの長方形の出っ張りは、ヒケ止めではなく、開閉のための蝶番のつもりだと思いますので、削り取るのではなく感心してあげてください !(笑)
 でも、そこまでこだわるくせに、ウインドシ−ルド下端のラインが直線になっていたり、マルコム風防のパーツのスライドレール関連の表現が、左右の後部ウインドウ下にライン一本ずつ引いて済ませただけなのは、何故なんでしょうか ?! 
そのスライドレールに被さってスライドするはずのスライドキャノピー下部のフレームが表現されていませんので、胴体側に被さるようにプラペーパーでキャノピー下端のフレーム部分を延長してやる必要があります・・・
 まぁ、胴体部分をフレームに見なしてやればそれでいいのかもしれませんが、せっかくキャノピーパーツにその部分を付け足すことが可能に出来ていて、胴体パーツを触らずに表現できるパーツ割りになっているのに ! 
 しかも、サービスで両方のキャノピーを入れているわけではなく、マルコム風防の機体として、別キットで販売しているのにですッ !!!

それと、垂直尾翼の仕上げが、左右の面で光沢と梨地というように違っていますので、気になる方は統一してください。以上が私の直した点ですが、ここまで手を掛けるのは大変だとお思いの方は、胴体の切断を割愛して、スピナの修正、機首前端と空気取り入れ口部分の延長だけですまして、主翼付け根の張り出し部分の修正に力を注いでください。  とにかくこの近辺が一番のポイントになりますので……。

で、これらの修正をいちいちご自分でおやりになるのが大変という方のために、HOBBY SPOT Uから以上のパーツと素材をセットにした[ハセガワ1/72 P-51B/Cムスタング用「早く直して欲しい」パーツセット]が発売されていたのですが、さすがに人気が高くてすでに売り切れになってしまったようです ! (>_<)


  細 部

さて、先程ふさいだ薬莢排出孔の話からさせていただきますが、これは彫刻されていた内側の薬莢排出孔の後端から 2mm下がった所から外側へ幅2.4mm、後方へ 1.8mmの長方形をケガいて、斜めに開孔するとよいと思います。
これに関しては、PURSUE & DESTROY のp.132 の写真で良く判りますし、モデルアート社から発売された『P-51マスタング』 の野原茂氏の図面にも描かれていますので、お持ちの方は参考までにご覧ください。
 次に機首周りの筋彫りですが、エア・フィルターのついているパネルと主翼付け根のパネルに挟まれた機首下面のパネルは左右まで一体ですので、下側の二本の筋彫りと接合線を消して、後ろのラインをコクピット側へ下げます。 位置としては、主翼付け根のパネルの斜めのラインから 6.5mmの所に垂直に回し、真ん中のパネルが広くなるようにします。  空気取入口も縦の接合線は消しておきます。
 先ほどのエア・フィルターをつないだ機首下面部分に位置する三日月形のキズ状の筋彫りですが、これは機首両側のエア・フィルターを使用した時に、機首の取り入れ口から入った空気を逃がすためのスリットではないかと思われます。 したがって、エア・フィルター使用時以外は閉じているようですし、エア・フィルターを外してしまった機体ではもちろん塞がれているようで、確認できる写真はそう多くありません。
 また、前述の野原氏の図面では筋彫りがスリットから後ろのパネルへ向かって、幅 3mmの短冊型に入るようになっていますが、同様に写真での確認は、まだできていません。
 そしてこの近辺でもう一つ、左側の排気管の後ろに小さな短冊型のパネルが付けられている写真が、これも機体によってですが、見受けられます。これは箱絵のゼンタイル機に描かれているように、前方の角を落としてあり後方はヒンジで、排気管方向 (前方) にむけて外側に開口できたようです。詳細は ⇒P-51B/C の排気管直後の小パネル装備機 参照してください。

 アンテナ柱はパイプを潰したタイプが付いていますが、機体によって板状のものやテグスタイプなども使われていますので、エア・フィルターや排気管と同様に、お造りになる機体を写真などで良く確認し、それぞれの機体にあったものに換えておきます。


  初 版 と 改 訂 版

 なお、初期に発売になったキットは主車輪のホイールハブ部分を見るとスポークが8本なのですが、これは改訂版では 10本スポークに改められて発売されています。
この部分の写真で確認できるものが10本の方が圧倒的に多いからだとは思いますが、8本スポークの写真も確実に存在しますので、どちらも間違いだとはいいきれません。
 ハセガワがなぜ完全に間違いである主翼形状はそのままで、このホイールだけ直したのかは解りませんが(たぶん10本スポークの写真が多いD型とパーツを共用する為だとは思いますが)、ここは作る機体によっての選択の幅を拡げてくれたのだと、善意に解釈して、キットを選ぶときは作る機体の写真を調べてから、必ず中を見てお求めになったほうが良いと思います。
 見分け方は AP11、AP12 のキットでモールドが薄いグレーの場合は (SP108 のやや黄色味がかったパーツも) 8本スポークの可能性がありますので、中のタイヤパーツを確認してみてください。 タイヤの隣にあるスピナキャップ根元パーツの差込み軸が短くなって、左右に保護ピンが飛び出しているのが改訂版です。
どうせ改訂するならもっとチャント、ここガイドに挙げたような事柄をすべてキチンと改訂して、決定版として欲しかったと思っているのは、僕だけではないと思うのですが・・・


 いま (2015年4月) 現在、さほど手がかからずにそれらしく作れる1/72のB型は、レベルの製品 (翼下面の薬莢排出孔は直しましょうね !) と、発売から35年以上経っているモノグラムの製品 (やっぱり翼下面の薬莢排出孔は直しましょう ! 詳細は モノグラム 1/72 P-51B の[MODELING GUIDE]参照してください) の二種類だけですね・・・他のメーカーはみんな基本的な同じ所 (翼付け根の張り出しと主脚収納孔の形状) を間違えてますからね !
一見良さそうなアカデミーの1/72 B/C型も、間違いをごまかそうとして、更にひどい状況に陥ってしまってますしねェ・・・ !!

と、書いていましたが、2015年5月には KP(Kovozavody Prostejov) 1/72 - North American P-51B/C & Mk.III Mustang という、かなり好い感じのキットが、バードケージタイプとマルコムフードタイプ各二種で発売され、更に 2016年には OEM で AZmodel からもデカール替えのバリエーション四種類(バードケージ3種・マルコムフード1種)、2017年や2018年にはドーサルフィン付きの胴体後部パーツと増槽パーツを加え、デカール(マーキング)を替えたキットが発売されました。

 で、前述のようにこのハセガワのキット発売時のニューキットレビューには、それ以前に初期のモノグラムの1/48の正しいB型の主脚収納孔や主車輪カバーの形状を間違っているとしてわざわざD型状に直したライター氏が、「そんなに多くないが、この付け根の大きいB型の機体はある」みたいなことを書いてメーカーを擁護していらっしゃいましたが、さすがにメーカーさんのほうが恥ずかしくなったのか、現在ではこの 1/72のB型 は定番カタログから落としてしまい、スポット生産として限定販売するだけ (しかも2015年や2016年には改修・改造を重ねたであろうエアレーサーでの発売) にしてしまいましたね・・・
そのキット内容はレジン製のドーサルフィンと C型用ラジエーター下のバルジ部品、K型用のカフス無しプロペラ部品を追加してさらに価格を上げた、エアレーサーバージョンの二機セットとしての発売なのですが、見過ごすことのできない疑問点もあります。
たとえば、当時のエア・レーサーは確かにカフス無しのペラが多いのですが、それらは通常のハミルトンスタンダードのカフス無しプロペラ [H.S. K-6523A-24] とか、戦後のパドルタイプのハミルトンスタンダード製 [H.S. 6547A-6]、もしくは H型用のエアロプロダクツ製 [A.P. A-542-B1] のものを着けた写真が多く、コクラン機や「エクスカリバーIII」も同様のペラを装着した写真はありますが、K型のペラ [A.P. A-20-156-24M] だったという写真は確認できていません。 (^^ゞ

 なお、B型ではないのですが、この P-51B のキットをベースとして利用し、レジンパーツやメタルパーツを追加してバリエーションキットとして発売した、ガルテックス(ハセガワ/GARTEX)P-51A Mustang は、ハセガワB型改訂版 [72B-06] のキットにレジン製のアリソンエンジン搭載機種胴体、ホワイトメタル製のシート、フイッシュテイル排気管、プロペラブレード、エアスクープ、アウトレットフラップ、リトラクタブルスキーとインジェクションのスピナ、ループアンテナ、照準器のパーツを加えたキットとなっています。
 ただし、本来はA型やそれ以前のアリソンエンジン搭載機種型の機体は、コクピット内の装備や操縦桿は胴体内の主翼上面部分に設置されているので、このキットのような独立した平らな床板や胴体内タンクはありません。
 機首上面の空気取り入れ口からのエア・スクープのサイドラインは、中央が左右に膨らんだ曲線になっていて、P-51A としては正しいものになっていますが、パイロンは後期型(D型)のものなので、そのままで使用するとおかしなものになってしまいます。

 レジン製の胴体パーツは素材の性質上、収縮が激しくて 1994年の購入時に計測した全長は 1/73.8 でしたが、12年経った 2006年6月現在では 1/74.2、発売から 18年経った 2012年1月 では 1/74.6 、24年経った最近(2018年4月)では 1/75 と更に縮んでしまっていますし、成型の薄さが逆に歪みやたわみ、反りなどを生んでいますので、このキットを今現在購入しようとする方は、それなりの覚悟が必要となります。
 ただし、ホワイトメタルパーツとインジェクションの三翔用のスピナキャップなどは貴重ですので、これらの入手を主目的とし、胴体のほうは付け根の取り付け部分を修正した上で、ホビースポット ユウ の主翼パーツと組み合わせて、 1/75 スケールとして楽しむのも面白いかもしれません !

ちなみに、"ハセガワ/GARTEX " として発売した製品には 、以下のような物があります。
 ↓
GA:1  1/72 Mitsubishi A6M2-K (零式練習戦闘機 11型)
GA:2  1/72 F-104J/UF-104Jスターファイター
GA:3  1/72 Mitsubishi A6M1(十二試艦戦)
GA:4  1/72 P-51A Mustang
GA:5  1/72 Kawanishi E7K2 (九四式二号水上偵察機)
GA:6  1/48 Spitfire Mk. Vb Float Fighter (フロートファイター)
GA:7  1/48 Spitfire Mk. V "Eagle Squadron"
GA:8  1/48 Spitfire Mk. Vc "Caldwell"(コールドウエル)
GA:9  1/72 Nakajima KI-43 III Ko (一式戦闘機 隼 三型甲)
GA:10 1/48 Messerscmhitt Bf 109 G-03 "V Tale"(V尾翼実験機)
GA:11 1/72 Mitsubishi A6M5 Model 52 Hei (三菱零式戦闘機五二型丙)
GA:12 1/72 Mitsubishi J2M4 Raiden (雷電 32型)
GA:13 1/72 Focke-Wulf FW 190F-8/R14

ただし、僕は P-51 Mustang にしか興味がありませんので、他のキットのことは判りません !^_^;

  お ま け

 アカデミーのキットに関してはいずれ製作したときに書くつもりで、2005年には[MODELING GUIDE] もなんとか書き上げましたが、1999年の発売時から何処が違うのかというお問い合わせを多く頂いていますので、前述の主翼の間違い部分とハセガワキットとの違いだけ簡単に書いておきます。


上の二枚の写真はアカデミーの主翼にハセガワの胴体を仮止めしたものですが、フィレット修正前 (左写真) と修正後 (右写真) の主翼の張り出しを見ていただくと、大きすぎる (D型と同じ) と言われている修正前のものと同じだけの長さを持っていることが判っていただけると思いますし、修正後の胴体を付けてみると2mm以上フィレット前縁から張り出し部が飛び出しているのも判ります。 
これはアカデミーの主翼の前後幅が、D型と同じ大きい張り出しを持った主翼と同じだけあるということですが、ではなぜ紹介記事などでも指摘されないのかという秘密が、前後幅を広くしたままでB型の主翼と同じ角度で作られているからだというのが、修正前のハセガワのB型の主翼に翼端と後縁を合わせて撮った下の写真でお解かりになると思います。

 お解かりでしょうか ? 写真のように、付け根部分の角度を緩やかにするために翼端からの前縁に角度を付けて前に飛び出しているのが・・・
したがって、チョット見には正しいように見えるのですが、全体の主翼面積が広く、取り付け位置が前進したようになってしまって (アスペクト比と言うらしいです…が違っていて) 、仮組みの状態でも違和感を感じてしまいます。
そして、これを修正しようとするとハセガワのように簡単ではなく、主翼前縁だけでなく主翼の前半分を全てにわたって削らなければならず、私の腕ではまず不可能だと思いましたので、C型二個とB型一個を買ったところで購入を止めました。 ドーサルフィン付きのC型は魅力ですが、いくら安くても修正不可能な部分のあるキットを買うことはできないので、現在大量に保有しているモノグラムと修正可能なハセガワかレベルのキットで我慢することにしました。
ドーサルフィン付きの機体は、上記のどちらかのキットにユウのパーツセットに入っているドーサルフィンを使えば簡単にできてしまいますので !!


◎ デ カ ー ル

 ゼンタイル機の機首のチェッカーはもう皆さん御存知のとうり、両側に描かれていますので、右排気管の下の分を自分で調達しなければなりません。 しかし、このチェッカーは左右で並び方が同じですので、もう一機買ってきて右側に付けても、並び方が逆になってしまうのです(裏返しに貼れれば楽なんですけどね)。 どうしても付属のデカールでやるのなら、縦か横かを一列分切り取って一番下の段が前から白、赤、白、赤……とコクピット側が赤で終わるように並べ変えて使ってください。 この時は小さな三角の出っ張りも切って前後を逆に付け替えないと正しい並びにはなりませんので、注意してください。
 また、ある時期からスピナキャップは全部赤で塗られましたので、撃墜数を増やしたりするときは御注意を……。

 次にエックフェルトの `BALD EAGLE ' の文字は " P-51  Mustang in Color "(スコードロン社刊)で紹介されている黒一色の説を取り入れていますが、これは、黒の影付の赤字だと主張される方もいらっしゃるようです。 私は今のところどちらと確認できる写真に出会っていませんので、これに関しては判りません。
 ただ主翼端の青と黄色のストライプは、実機について「R.T.エックフェルト中尉機"BALD EAGLE"の塗装」 にも詳しく書きましたがデカールのように上下対称ではなく、左の図のように上面は翼端灯の辺りから扇型に三本の青線が広がり、下面には前の二本だけが回り込んで、後縁の方へ延びていきます。
そして、上面の前から三番目の青線は、下面には回り込まずに翼端を後縁へと走るのです。

 もう一つのビースン機に関しましては、申し訳ありませんが手元の資料が未整理ですので、コメントを控えさせていただきます。

 なお、2015年には実機の改修部分が多いので多少違っていても苦情が出ないからか、幕張でのエアレースショーに乗っかろうとしたのか? その両方なのか ?! ・・・レジン製のドーサルフィンとC型用ラジエーター下のバルジ部品、K型用のカフス無しプロペラ部品を追加してさらに価格を上げた、エアレーサーバージョンの二機セットなんてのを企画しています(2015年5月21日発売予定) し、2016年 にも、そのデカール替え商品を限定発売しています。

 ただし、コクラン機が K型のペラ(A.P. A-20-156-24M)だったかどうかは写真では確認できていません。
当時のエア・レーサーは確かにカフス無しのペラが多いのですが、それらは通常のハミルトンスタンダードのカフス無しプロペラ(H.S. K-6523A-24) か戦後のパドルタイプのハミルトンスタンダード製(H.S. 6547A-6)、もしくは H型用のエアロプロダクツ製(A.P. A-542-B1) のもので、コクラン機もこれらのプロペラを着けた写真が多いです。



ハセガワ 1/72 P-51B/C ムスタング の完成品 [ VF☆ 5 P-51B-15-NA (S/N 42-106750)] を見る

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