ACADEMY/MINICRAFT #1662 ![]() |
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"S" (ACADEMY) #1000![]() |
◎ 始 め に …
アカデミー(ACADEMY) は左の写真のように各種の P-51 を発売していて、どこの模型店の店頭でもそのいずれかを見かけることが可能ですが、最近のキットは買い手にとってはあまり有り難くないビークル
(最新のP-51にはトレーラーまで !) をセットにして販売するという嬉しくない商法を取っているので、私は
"安売りをしていないと買わない ! " という、ささやかな抵抗を続けています。
そんな中でビークル付きなどという迷惑至極なバリエーションを考えなかったのが、1980年に発売されて一時はサニー
(SUNNY:模型店ではなくプラモメーカーだったほうの…) が輸入販売をしていたものの、現在はアカデミーでは生産終了となってしまった、旧製品の
#1662 P-51D MUSTANG なのです。
実はこれは知る人ぞ知る、未だにファンが多い 1974年に発売になったハセガワ(前) のアレンジコピーなのですが、さすがに丸々のコピーでは具合が悪いと思ったのか、最大の特徴は エレール 1/72 [72D-15] のキットと同じようにドーサルフィンが別パーツとなっていて、製作者がパーツ選択によってドーサルフィンの無い初期型か、フィン付きの後期型のD型のどちらかを選べる数少ないキットでした。(初期型のみのキットなら エアフィックス 1/72(旧)[72D-08] というのもありましたが…)
しかも元型を遡れば ハセガワ1/32 P-51D [32D-04] の譜系なのですから、好き嫌いはあったかも知れませんが、当時としてはかなり出来の良いキットだったと言えるでしょう。
その上、まだ在庫している店があって、当時の価格で売られているのも嬉しいところですが、韓国国内のみで販売されていた
フジミ 1/48 のキット[48D-05] によく似た右側の箱絵の FA062 P-51D MUSTANG や、アカデミーのブランド以外に左のような同じ韓国の セミナー ("S" と記載されたり、
箱の横に Amerang のシールを貼ったものもあります) のキット として販売されたものを見かけることもあります。
ただし、キットの中身は#1662 P-51D MUSTANG と同じものなので、セミナー/Amerang の箱絵に描かれている 5in.HVARロケット弾 と 翼下のランチャーのパーツ が入っているわけではありません。
◎ 寸 評
このキットの難点としては機首部分の側面形がやや太くて、ウインドシールド直前の機首部分までが平らなことや胴体後部の背がオムスビ形ではなく角張っていること、ドーサルフィン無しのときのバランスを考えてなのか胴体後半がやや短いこと、そして、排気管が片側7本ずつ出ていますが、明らかに一番前の一本は後から金型に彫りこんだと思われること、などです。
ところが胴体と一体で成型されているこの排気管がこのキットのすごいところで、深く開口されているわけではないのですが、ちゃんと窪んでいて開口加工するときのドリルの刃がセンターにピタリとおさまるのです。
余談ですが、この排気管の数が片側 7本ずつというのは、ハセガワが初期(1963年頃)に出していた
1/70 P-51D 銀モールド[70D-01] と同じです。 もっとも、銀モールドは片側
7本でしたが、最近再販にもなった透明キットの方はなぜか更に一本多い片側 8本になっていました・・・閑話休題。
主翼の機銃口は開口されていますが、付け根のフェアリングのみで銃身などの表現はありません。 また主翼付け根付近は厚く深い主脚収納庫が彫られていますが、翼端が急激に薄くなっています。
ただし、その深い収納庫のせいで上反角はかなり付けづらく、フィレット部や主翼上面の付け根を少し削ったぐらいでは強制接着してもたいして角度は付きません。
このキットも新D型のキットも胴体下の表現は共通で、エア・インテイク先端部は別部品ではなく胴体一体で左右の貼り合わせ、オイルクーラー下のエア出口とラジエター後のエア・アウトレット・フラップは半開きの一体モールドで開口やエア流出口の表現は全く無く、尾輪収納庫は箱型に区切られています。
また、空気取り入れ口直前の主翼下面にあるはずの主翼結合ボルト部をカバーするフェアリングのカマボコ状の膨らみが、両方のキットとも無視されていますので、気になる方は追加してやってください。
キャノピーはイングルウッド風のとダラス型風の二種類が付いていますが、ウインドシールド部のパーツと胴体部分の合いが多少良くありません。
また新キットのほうにはミラーを取り付けるための切り欠きが入っていますので、マーキングによっては使えないこともあります。
なお、新キットの #2132 P-51D (WR☆F) の箱絵はドーサルフィン無しになっていますが、キットにはしっかり付いていますので、このキットと違って簡単にできるわけではありません
!
一番最近発売された新D型の韓国軍マーキングのもの (#2205"F-51D Korean
War") は同じ金型の #2132 P-51D (WR☆F) にビークル(ジープ ?!) が付いて価格が500円から800円に上がってしまいましたので、ジープとマーキングにこだわらない方は
#2132 P-51D (WR☆F) を捜したほうがお得です。
◎ 修 正 開 始
アカデミー/ミニクラフト (旧) P-51D
一番目立つ片側7本ずつ出ている排気管ですが、これは各排気管を開口しながら一番前の一本を削り取ってやります。もともと後から金型に彫りこんだと思われるので、整形も比較的楽に出来ますので、このキットは修正の入門用に最適だと思います。
その前の機首空気取り入れ口の付いた先端パーツですが、胴体パーツとの合いが悪いことで有名で、私も接着してからスキマを伸ばしランナーで埋めていったのですが、左の写真を見ていて一つ試してみる価値のある方法を思いつきました
!
先端パーツの上のラインが軽く反り上がっているのにお気づきでしょうか ?
このラインが下向きとまではいかなくても、平になるくらいに胴体先端の接合部を軽く斜めに(上はそのままで下側を0.5mm位)削ってやるとダウンスラストも付いて良い感じになるのではないかと思ったのですが、いかんせんガッチリと接着してしまったので、また定価以下で売られているこのキットを見つけるまでは試せません。 どなたかこの方法をお試しくださった方はその結果を掲示板かブログまでお知らせください、私としては一石二鳥の良い方法だと思っているのですが・・・
キットの難点の機首部分側面形の太さやウインドシールド直前の機首部分までが平らなのはどうしようもないのでそのままです。
また胴体後部の背がオムスビ形ではなく角張っている…と言ってもイタレリほどではないので、これもドーサルフィン無しのスマートさを考えてそのままに…
胴体後半がやや短いことも、ドーサルフィン無しということで方向舵後端に尾灯をつけることで解決としました。
付け根のフェアリングのみとなっている主翼の機銃口は、外側二つの開口部に長さを調節した銃身を埋め込んで終了、下面右翼端の敵味方識別灯は例によって ホビースポット ユウ の三色の識別灯用素材 を埋め込みました。
コクピット内のパーツは正規のパーツを紛失してしまったためにやむを得ず作ったもので、別にパーツそのままでもベルトの追加ぐらいでよいと思います。
ただし、照準器は無いと寂しいのと、操縦桿がグリップ表現の無い丸棒状なので、これを作るぐらいなら10分足らずでできてしまうので、入門用としてチャレンジ(というほどのものでもありませんが…)してみてはいかがでしょうか
?!
胴体下面のオイルクーラー下のエア出口とラジエター後のエア・アウトレット・フラップに関しては軽くエア流出口を彫りこんだぐらいで、大掛かりな修正はしていません。 この辺りをおやりになりたいときは、モノグラム1/48 P-51B のキット評 を参考にしてください。
また主翼の上反角はかなり付けづらく、フィレット部や主翼上面の付け根を削って強制接着したぐらいでは角度は付かずにスキマが広がるばかりですので、深い主脚収納庫が彫られている裏側に切り込みを入れるなどの処置をしないと無理なようです。
キャノピーはウインドシールド部を以前からの予定通りイタレリのものと交換トレードすることに決定して解決しました。
◎ デ カ ー ル
キットに付属のデカールは下記のとうりとなります。
まず、当サイトでは 1/72 P-51D 旧キットと表示している #1662 P-51D MUSTANG のデカールがこちらです。
箱のタイトルには、P-51D Mustang となっていますが、実際に入れられているデカールは、
18th Fighter Bomber Group, USAF, のシャークティースが付けられた FF-943☆
(s/n 44-12943) の機体で、確かに生産時は P-51D-20NT(ダラス工場製) の機体ですが、マーキングは
Chinhae Airfield, South Korea, 1951 で作戦を展開した呼称改変後のものなので、
F-51D としてくれた方がシックリしたのではないかと思います。
また、このキットの韓国国内版 FA062 P-51D MUSTANG は、箱絵こそ フジミ 1/48 のキット[48D-05] と同じになっていますが、箱絵のマーキングのデカールは入っておらず、この
#1662 のものがそのまま入れられています。
◎ 結 局 …
#1662 P-51D MUSTANG は、ドーサルフィン無しの P-51D-5(7)-NA として作製、デカールはマイクロスケールの
72-397 のものをそのまま使用して、 B7☆M "SWEET THING II" (S/N.44-13626)
として完成させてみました。
MUSTANG GALLERY の アカデミー(ACADEMY) 1/72 P-51D MUSTANG (旧) の完成品
B7☆M "SWEET THING II" P-51D-5(7)-NA(S/N.44-13626) を見る
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