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◎ 始 め に …
←タカラ-レベル(TAKARA-Revell) 説明書
モノグラムの 1/48 P-51D と同じように、最初の発売が 1978年ですから、発売からすでに36年以上が経っているベテランキットです。
新発売時にはレベルはタカラと提携していたので、日本国内ではレベル版とは違うマーキングで
タカラ/レベルとしての発売でした。
スケールはほぼキッチリ出ているのですが、発売になった頃の流行なのか、1/32のハセガワ(32D-04)のスケールダウンのせいなのか、機首の幅が広くて頭でっかちな印象があります。
また、機首先端パーツやウインドシールドパーツと胴体に目立つ隙間ができるので注意が必要で、左側胴体の機首接合面を少し削っておかないと先端パーツとの段差が大きく出てしまいます。
なお、主翼と胴体接合部分は機首下面部分で く の字形の角ができますし、フラップ後端が胴体フィレット部分よりも
2mmぐらい飛び出してしまいます。
レベルからは米軍機タイプ(グレイモールド)のほかに白色でモールドされたレーサータイプも発売になっていますが、モールド色とデカールが変わっただけで、レーサーに多用されていたカフス無しのプロペラ(ハミルトンスタンダードのカフス無しプロペラ[H.S.
K-6523A-24[や戦後のパドルタイプのハミルトンスタンダード製[H.S. 6547A-6]、もしくは
H型用のエアロプロダクツ製[A.P. A-542-B1]など)や レーサー(ミス・アメリカ)
の時に切断された翼端などは表現されてはいません。
また、このキットは、レベル社がモノグラムを傘下におさめて、レベル-モノグラムになってからはリリースされていません・・・当初は独レベル-モノグラムのキットがこれかと思いましたが、サイトの説明文や店頭でキットを見た限りでは、独レベルのも米レベルのも、内容はこのレベルのキットではなく、モノグラムの
1/48 P-51D のキットとなっています。
ただし、ハセガワの 1/32 P-51D を元にして造られたこのキットは、20年後に発売になった
イタレリ 1/72 F-51D の基になったというのがハッキリと判るぐらいの特徴あるキットになっています。
◎ 仮 組 み
で、パーツを見てみると、部品点数 40点(その内、アクセサリーの増槽パーツが4点)、透明部品4点の計 44点 となっています。
まず、胴体、主翼、尾翼、スピナー、キャノピー、空気取入口を仮組みをしてみると、全体の雰囲気はマアマアだと思いますが、一番気になるのは後部胴体上部の断面形で、P-51と同じようなオムスビ形であるはずの上部が角々としていて断面形が長方形に近くなっているところです。
これをオムスビ形にまでするのはかなり難しいと思いますが、できるだけ両角を落として多少でもそれらしく見えるように修正すると共に、各接合部のスキマを埋める準備をしていきたいと思います。
機首先端の空気取り入れ口パーツは胴体との接合面を合わせると少し小さめで形状が合っていませんので、胴体の接着面を削ってら貼り合せた胴体パーツに上下を合わせてから機首側面との接合部の段差を整形してやるとよいと思います。
主翼と胴体の合いは一番悪くて、主なスキマは左側胴体下面に出る主翼パーツ前端の段差、主翼より幅の狭い胴体下面とのギャップ、主翼と胴体フィレット部との大きなスキマ、フィレット部から飛び出すフラップ後端など、気になる部分がけっこう多くあります。
機首部分はウインドシールド前の胴体断面までが円でなく角ばっているのと、キャノピーの高さが不足気味なのが気になりますが、機首上面の角張りは透明パーツの接合部までかかっていて修正は困難ですし、キャノピーはけっこう長さがあって簡単にトレードできるものが見つかっていないので、幅広の胴体より更に広く飛び出しているウインドシールドの処理を重点的に行うことにします。
プロペラは カフスつきのハミルトン・スタンダード ですが、カフスの表現が表側だけで裏側は表現されていない平らなブレードになってしまっています。
プロペラ取り付け用の軸は胴体側先端パーツから飛び出していますので、作業中に折らないように気をつけて作業してください。
◎ 修 正 開 始
まず、スピナキャップは左側の写真(左から タミヤ,モノグラム,ハセガワ,レベル
の順です)のように単体で見ると一番太くて長い感じがしますが、ちょっと太目の機首に着けると、ふっくら感があまり感じられないスマートな感じなのが不思議です。
前後分割で、四翅一体になったプロペラブレードを挟み込むようになっていて、そのままの先端はちょっとトガリ気味ですが、ペラの穴の位置のズレはあっても前後の段差はありませんし、胴体先端部のパーツとも繋がりはスムーズです。
ただし、スピナの着く胴体先端部パーツは胴体との合わせ目の段差が目立ちますので、左右胴体の機首前方の接着面を少し削って先端部の幅を狭めてから胴体左右を接着し、胴体先端部パーツの上下を合わせてから接着、その後、機首側面との接合部の段差をスムーズに整形してやります。
なお、胴体側の左右の接着面ですが、コクピット側まで削って狭めてしまうと、それでなくても幅が広いウインドシールドパーツとの幅がますます合わなくなってしまうこともあるので、あくまでも先端部の幅だけを狭くするよう気をつけてください。
機首部分の太すぎは、幅が広いウインドシールドパーツとの関係があって簡単には修正できませんので、先端パーツからスムーズにラインが繋がるよう、なだらかに削って段差を無くしてやる程度にしておきます。
そして円でなく角ばっている、ウインドシールド前の胴体断面は透明パーツの接合部までかかっていて修正はかなり大掛かりになってしまいますので、ウインドシールド直前の胴体部分の断面を半円形にするのは諦めて、胴体との幅を合わせてやるだけに留めておいた方が無難です。
僕は、この機首部分とコクピット前に関してはこんな感じで終らせましたが、どの程度おやりになにられるかはご自分でお決めただくとして、次に角張りが一番目立つ後部胴体の上側の角張りを滑らかなアールになるように修正してやります。
とは言っても基本的な胴体の断面形が台形よりも四角形に近いので完全な再現は削るだけでは無理ですけど、雰囲気は多少は近くなるのではないかと思います。
この胴体に挟み込むコクピットは基本的なパーツだけですので、サイドのコンソールや胴体両側へのモールドをどれぐらい手を入れるのかは各人の好みや印象で決めていただけばよろしいのではないかと思いますが、少なくとも機首先端パーツやウインドシールドパーツと胴体にできる目立つ隙間だけは、これぐらい手を入れておいたほうがいいと思います。
主翼と胴体接合部分の機首下面部分で "く " の字形の角ができるので、ここはスムーズに繋がるようにパテの使用もやむを得ないと思います。
フラップ後端がフィレット部分よりも飛び出しているので、こちらは小さな三角形の部材を足して、フィレット部分を少し延長して目立たなくしてやります。
カフスの表現が表側にしかなかったプロペラブレードは、先端部分を薄く削って表現するよりも、裏側のカフスにあたる部分にプラペーパーを貼り付けて段差を表現してやる方が簡単だと思います。
ぁ、写真のペラのカフスはまだ直していないので、裏側のカフスは付いていません。
なお、スピナの裏側に長い軸が刺さっているのは、胴体側に付けられてたプロペラの取り付け軸を折ってしまった為で、胴体に軸を付け直すよりこちらの方が再度折れる可能性を考えると安全性が高いからです・・・ただ、胴体側の穴あけに失敗して、少しセンターがズレてしまってるんですけど
! (^^ゞ
キャノピーは高さが低くて幅が広いなど、気になる部分もあるのですが、けっこう長さがあって簡単にトレードできるものが見つかっていないので、今回はフレームに一体で成型されているキャノピーブレースに
7個の穴を開けただけでそのまま使用しています。
排気管は別パーツにはなっているのですが、種類はフェアリング付きとみられるもの一種類だけで、しかもあまり立体的な感じには仕上がってはいません。
他社のものを付けることも可能かもしれませんが、取り付け部分の彫り込みがあまり深くないので、どちらかを加工しないと、そのままでは不可能です。
工作自体がお嫌いでなければ、凹部をくり抜いて ハセガワ(右写真:左)のものだけではなく、タミヤ(右写真:右)のものを付けることも可能なのですが、この方式は途中で落ちると付け直しには大変な労力を要しますので、万一外れても、胴体内に抜け落ちたりしないように、ガッチリと付けたうえで裏側に当て板を貼っておく必要があるかもしれません。
僕は今回はキットのものをそのまま使ってみようと思い、キャノピーブレースに
7個の穴を開けたついでに、キットの排気管先端にも穴あけをしておきました。
なお、今回のキットは前述した機首の太すぎや胴体上部の角張り過ぎの関係で、ドーサルフィン無しの初期の D型の機体にするのにはあまり向いているとは思えませんし、ホビースポット・ユウの[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット]は基本的にタミヤのキットに合わせてあるので、このキットには少し手を加えたぐらいでは違和感ばかりが出てきそうな気がしますので、それよりは水平尾翼付け根にできる隙間をキッチリと処理してやった方が好いかもしれません。
◎ 細 部
主翼の機銃は銃口部分の真鍮パイプをフェアリングに挿し込んで表現し、最内側のものはひとまわり太いブラストチューブ様のパイプにしておきました。
右主翼端下面の識別灯は、実際には色付きのカバーガラスが嵌め込まれていたようですので、ユウの[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット]に付いていた三色の識別灯用素材を嵌め込んでおきました。
また、すでに翼端のブルーを塗ってマスキングをしてしまいましたが、翼端灯も基本的には色つきのカバーが付いていたはずだと思いますので、ユウの三色の識別灯用素材の内から、グリーンとレッドを使用して作製して、嵌め込んであります。
主脚収納庫は深さもあり形状も悪くはないのですが、内部のモールドはリブの表現がメインであとはいくつかの配線だけなので意外とアッサリとしています。
主脚柱はオレオがグッと縮んだ状態なのでもちろん収納庫に入れてみると、ちゃんと短くなっています
!(いろいろキットを見ていると、中にはオレオが縮んでいる状態なのに収納庫目一杯の長さがあるものがあったりするのです…)
ホイールはスポークの間や裏側の穴の部分をドリルで開けてあります。
タイヤにはパターンのモールドがありませんので、パターンを入れる場合は左右を接着後に目立てヤスリなどで刻んでいくのがいいと思います。
と、言いながらも、僕は今回は自分で調色したタイヤブラックで塗っただけで済ませていますが・・・
◎ デ カ ー ル
付属のデカールは各バリエーションキットによって違っていて、僕はレベル版米軍機仕様は持っていないので、手元にあるのはこの二種類ということになります。
ただし、どちらも古い上に保存状態が悪かったので、透明部が黄変していたり、カビのようなシミが出ていたりして、使用に関してはムリなような気がします。
◎ 結局・・・
機首部分が太く平らで角張っている P-51D は結構多くて、それが特徴だと思われている方も多くいらっしゃいますので、こんなに手を入れなくてもイメージに近いとお思いの方も多いでしょうから、わざわざ現在は販売されていないこのキットをお選びになる方も少なくないのではないかと思います・・・
そんな方にとっては、こんな工作ガイドは本当は必要がないのかもしれませんが、とりあえずこれは僕自身の工作メモですので、ご自身のお役に立つところがございましたら、どうぞその部分だけご活用ください。(^^ゞ
まぁ、P-51D ムスタング のキットはこれ以外にも沢山出ているので、自分のイメージに合ったキットを選ぶことが出来るって事は本当に幸せなことですよね。
友野 升太 でした……。
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