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ACCURATE MINIATURES #480012 ![]() |
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ACCURATE MINIATURES #480013 ![]() |
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2006年に予告されたけど、未発売のキットです⇒ | ACCURATE MINIATURES #480011(P-51B)2006予告 unreleased ![]() |
ACCURATE MINIATURES #480014(F-6C)2006予告 unreleased ![]() |
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↓ OEM にはこんなメーカーのパッケージがあります ↓ | |||
ACCURATE MINIATURES /HASEGAWA #HA1 ![]() |
ACCURATE MINIATURES /HASEGAWA #HA2 ![]() |
ACCURATE MINIATURES /HASEGAWA #HA2X ![]() |
ACADEMY #12303![]() |
◎ 始 め に …
会社を離れた元モノグラム社の技術者たちが立ち上げた アキュレイトミニチュア(ACCURATE MINIATURES) は、独自のリサーチで 1994年にアリソン・エンジン搭載機種の P-51系キットを開発・発売して、その技術力の高さやキットアイテムへの表現へのこだわりを見せたメーカーだったのですが、その価格の高さにも目を見張るものがありました。
翌年に発売された P-51B/C は、一部のパーツを P-51A のものと共用にしてしまったので、間違えた部分をそのままにしてしまったマイナス面はありますが、日本国内では、ハセガワが提携した
OEM商品の販売となったので、価格は少し下がりました。
ただし、ハセガワ版の日本語説明書はオリジナルの P-51/P-51A のものと較べると、説明図がフリーハンドのような感じの取り付け位置などが不明瞭なものになっていたりして、ちょっと手抜き感が有ることは否めません(但し、オリジナルの
P-51B/C の説明書と比較したわけではないので、オリジナルのものが同じなのかどうかは判りませんが・・・)。
オークションなどにはハセガワ版の箱の中のアキュレイトのロゴが入った完成品の写真やアキュレイトの箱裏の写真が出されている場合があるので、新作と勘違いしないよう注意してください !!
会社としては途中で一時活動を休止、その後、 2006年に復活しましたが、その時に新製品として発売されたものは白っぽいパッケージデザインになっており、予告されたままで発売になっていないものや、レーサータイプで発売されたものもあります。
2009年発売のキットではフラップが別パーツになるとアナウンスされましたが、結局変更はされませんでした⇒ブログ参照。
現在、アキュレイトミニチュア(ACCURATE MINIATURES) のキットはプラッツで輸入販売されているほか、2014年には
P-51B (ドーサルフィン無し) のキットが OEM で アカデミー(ACADEMY) から #12303
North American P-51B "BLUE NOSE "(‘70th Anniversary Normandy
Invasion’) として販売されています。
まぁ、もともと主翼下面パーツの裏側に " MOLDED IN KOREA " の刻印がありましたので、もしかすると金型自体はズッと韓国国内に在ったのかも知れませんね・・・(^^ゞ
このキットの一番の欠点は、日本国内での販売価格かもしれません・・・例えば、このアキュレイトミニチュアとタミヤの良いとこ取りをしようとしたかのような ICM [48B-07] の P-51B の価格は、2015年に OEM で発売された、やたらに高価格な AMG のレーサーバージョン以外は、ほとんどタミヤと同じぐらいに抑えられていますが、アキュレイトミニチュア製品の価格は15年前でタミヤの倍ぐらい、再生産後の
P-51C はタミヤの3倍近い価格になりました。
余談ですが、合併・吸収されてレベル-モノグラムとなってしまったため、今後生産されるかどうか不安だった
旧モノグラム の 1/72 P-51B が活動再開後のアキュレイトミニチュアから P-40N
とのセットで、スナップタイト・キットとして 2007年に再販されています。
◎ 検 証 ・ 仮 組 み
キットは同社の P-51A[48A-03] の胴体パーツ を B型もしくは C型(ドーサルフィンの有無)
のプロペラ+胴体関係パーツ に換えたものですが、B型の主胴体にドーサルフィンの前端の一部が付けられているので、
C型メインのようにも感じられます。
でも、これぐらいだったら主胴体側ではなく、尾部パーツの方にドーサルフィンを先端まで一体でモールドして、主胴体側は加工無しで B型ができるようにしてくれた方が好かったんですけど・・・(^^ゞ
機首はハセガワの 1/48 D型[48D-10] のように張り出してもおらず、タミヤの 1/48 B型[48B-3,4] のように平面を誇張してあるわけでもないのですが、それらしい三次曲面で構成された機首を表現してありますので、海外の方には嬉しくなるでしょうが、日本国内ではそれらしいかどうかの意見が別れるところだと思います。
その他のパーツは P-51A との共通使用なので、アリソン・ムスタングのコクピットやペラ、足回りパーツのランナーが一枚丸々入っているので、一瞬アールの付いた翼上面状金属床板かと思ってしまいますが、
もちろん B型 と C型のどちらにも、四翅ペラと一緒のランナーにモールドされた、正しい平らな独立床板が入っています。
ただし、防弾鋼板のパーツが無いので 0.5〜0.7mm位(実機で 8mm〜11mm なので
実スケールだと 0.16mm〜0.23mm) のプラ板から切り出して 部品番号20 と 部品番号13
の間に挟んでやります。 ついでに、ヘッドレスト兼用のエマージェンシー・バッグやシートベルトも取り付けてやるとグッと好くなります。
この防弾鋼板は手元にある資料では、A型などのコクピットの写真でも装備されているものが多く見られますので、アリソン・ムスタングの作成時にはお作りになる機体の資料をできるだけお集めになって確認されることをお奨めいたします。
ラジエーターパーツはエア・アウトレット・フラップ側から覗ける後ろ側だけがモールドされた板状のものが仕切り板を兼ねて入っていますけど、オイルクーラーはパーツとして入っていないので、胴体下面のエア・アウトレット・フラップの小さい方(オイルクーラー・エアフラップ)の前方にウレタン・スポンジなどを加工して挟み込んでやるとそれらしくなります。
また、無線機パーツは固定用の穴やボッチを無視して、前側に 4mm、上に 2mm程持ち上げるなどして、後部ウインドウから覗く位置まで移動するとか、余分に入っている
A型用コクピットパーツ後半部とのツギハギ使用と、胴体の燃料注入口の撤去(パテ埋め
?)で、胴体内タンク無しの B/C初期型 としてやるなどの工夫が必要かもしれません。
主翼の形状は先端部分の丸味が少ない感じもしますが、このスケールになると違和感というほどの感じではなく、各人の好みや印象で違ってくると思います。
付け根の捻り下げは完璧ではないものの、それなりに表現されていますが、パーツとして入れられている翼下のパイロンは B/C型のものではなく D型以降のものですし、モールドで表現されている補助翼トリム・タブ・ロッドは翼端寄りではなく、B型から内側寄りへ移動しているはずです !
前縁の機銃孔は間隔が心もち狭い感じで、主翼下面の薬莢排出口は箱絵に描かれているようなそれぞれの機銃の下に設けられた長方形が二つ並ぶのではなく、ちゃんと一つにまとめられたものになっていますが、右の写真のように形状が縦長の四角形になっているのが正しいのかどうかは、まだ写真での完全な確認がとれていません・・・でも、数少ない写真から検証した現段階では、僕は横長の四角形なのではないか・・・と思っています。
主脚収納庫内のリブの間隔は、他社の P-51B/C に多く見られるような D型状のものではなく、ちゃんと広い間隔の
B型のものになっています。
ただ、 部品番号35 の取り付け位置が説明書では明確には判りません・・・説明文では主車輪ドアの後部に付くように書いてありますが、B型の主車輪ドアの開閉用ロッドは、写真などで確認すると
部品番号42 になっている前部のロッドだけのようです。
なお、"マーリン搭載型ではエンジンの大出力化に伴い、垂直尾翼も 2インチ高くなっています。"
という説があり、現在その詳細を考証中ですが、、2インチ(約50.8mm)というと、模型になってしまうと
1/48 だと 約1.05mm、1/72 だと 約0.7mm、1/32 で 約1.6mm となりますので、どのぐらいまで模型に反映させるかは微妙なところかも知れません。
ちなみに、アキュレイトミニチュアの P-51 と P-51B/C とでは、垂直安定板の頭頂部で
0.5mmほど P-51B/C の方が高くなっていますが、方向舵後端の高さは 0.1mmほどしか高くなっておらず、
P-51 と較べると、上部のラインが斜めになっている感じです。
もっとも、ハセガワの P-51D の垂直尾翼はアキュレイトミニチュアの P-51B/C
よりも 1.5mm ほど低い(左写真:左)ですし、タミヤの P-51B/C の垂直尾翼はアキュレイトミニチュアの
P-51B/C よりも 1.0mm ほど低い(左写真:右)ですが、どちらのキットも上部のラインはアキュレイトミニチュアの
P-51B/C と平行になっている感じです。
ついでに書いておきますと、タミヤをコピーしたようなペガサス(PEGASUS HOBBIES)の1/48
P-51B は、タミヤとほとんど同じですが垂直尾翼の上端に丸味を帯びさせている分、0.2mmぐらい高くなっています。
また、これはちょとしたイタズラですけど、HOBBY SPOT Uの[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット]に入っているパーツを使用してドーサルフィン(背ビレ)無しの P-51D を作るために切り離して残った
ハセガワ 1/48 P-51D の尾部を アキュレイトミニチュアの P-51B/C の胴体に繋げると、モールドやフィンの形状とか主胴体に在るドーサルフィンの前端のモールドなどの細かいことを気にしなければ右の写真のようにあまり違和感なく
ドーサルフィン(背ビレ)付き にすることもできます ! (^O^)/
右側水平尾翼の昇降舵のトリムタブ操作ロッドが上面でなく下面に付いているので、昇降舵のトリムタブ操作ロッドは下面にだけ付いている形になっています。
クリアーパーツのランナーは一枚で、キャノピーパーツはバードケージとマルコムフードの両方が入っていますが、A型などのアリソン・ムスタングと共通のものなので、ウインドゥ・シールドには小窓の付いたタイプのものも入っています。
また、計器盤もクリアーパーツなので同じものが入っていることになります。
まぁ、B型の計器盤は A型などとほぼ同じだと解説している資料が多いですし、違うと反論するほどの資料も持ち合わせていないので、計器類の配置などはとくに問題にはしていません。
ただし、パーツの形状そのものが、P-51シリーズの胴体に合わせたものになっているので、手を加えないと
B/C型の胴体にはうまくフィットしてくれません。
この透明の計器盤については、各ライター氏で評価が違っていて、「このスケールではあまり意味が無い」
というご意見もあるようですが、僕のように塗装(ドライブラシの技法)が下手な人間にとっては、透明で計器類が凸モールドというのは、後で述べるような簡単で失敗の少ない
[削り出し] という技法が使えるので、とってもありがたいのですが・・・
マルコムフード使用時はキャノピーパーツ側には後方にスライドするためにスライドレールに被さるフレーム部分が表現されていますが、胴体側に必要なスライドレール
のモールドがありませんし、アンテナもキットのアンテナ柱ではキャノピーがスライドできないので、ホイップアンテナという細いものがもう少し後方に着けられていることが多いです。
マルコムフードは閉位置にピタリと納まるように作られているために開位置にすると収まりが悪くなりますから、開位置にする時はモノグラムのように幅が広くてキャノピー部分だけが別パーツになっているものを流用してやることになります。
また、バードケージ・キャノピー仕様で開位置にするのでしたら、タミヤのキットに入っている開位置用のパーツをトレードしてやるのがてっとり早いと思います。
アキュレイトミニチュア(ACCURATE MINIATURES) #3419 や、OEM の アキュレイトミニチュア/ハセガワ(ACCURATE
MINIATURES/HASEGAWA) #HA2 P-51C の箱絵には、胴体上部のループアンテナが描かれていますが、パーツとしては入っていませんし、説明書でも完成写真でも無視されています!
なお、ハセガワ版の説明書ではウインドゥ・シールドのパーツは No.69 の使用が指定されていますが、こちらは小窓の付いたタイプのものですので、B/C型には説明書を無視して
No.61 の方を使用したほうがいいと思います。
◎ 修 正 開 始
今回使用した P-51C のキットは、同社の P-51A[48A-03] の胴体パーツ を ドーサルフィン付きの
C型 のプロペラ+胴体関係パーツ に換えたものなので、主胴体の後部上端に付けられたドーサルフィンの前端を削り取る必要はありませんが、
ドーサルフィン付きの C型尾部パーツは、別々に組むのではなく、主胴体側と尾部パーツを先に接着してからで一体モールドとして、組み立てたほうが簡単でキレイに作業が進められますので、
B型 のときも同じような手順で進めた方がよいと思います・・・(^^ゞ
B型 と C型のどちらにも正しい平らな独立床板が入っていますが、多少パーツが上に反っているので、計器盤パーツをしっかり固定して治具がわりにしてやるとともに、取り付け位置がズレないように、胴体タンク下の角になる目安部分に角材などで大きな治具を取り付けておきます。
また、キットには入っていない防弾鋼板のパーツは、実機で 8mm〜11mm厚 なので
実スケールだと 0.16mm〜0.23mm となりますが、ここはキットの表現として 0.5〜0.7mm位のプラ板から切り出して
部品番号20 と 部品番号13 の間に挟んでやります。
ついでに、ヘッドレスト兼用のエマージェンシー・バッグやシートベルト(キットにはデカールで付いています…)も取り付けてやるとグッと好くなります。
前述いたしましたように、この防弾鋼板は手元にある資料では、A型などのコクピットの写真でも装備されているものが多く見られますので、アリソン・ムスタングの作成時にも、お作りになる機体の資料をできるだけお集めになって、その有無を確認されることをお奨めいたします。
ラジエーターパーツはエア・アウトレット・フラップ側から覗ける後ろ側だけがモールドされた板状のものが仕切り板を兼ねて入っていますけど、オイルクーラーはパーツとして入っていないので、胴体下面のエア・アウトレット・フラップの小さい方(オイルクーラー・エアフラップ)の前方にウレタン・スポンジなどを加工して挟み込んでやるといいと思いますが、本格的にやるのであれば上半分は塞がずに、ラジエーターへのエアの導入路にしてやるとそれらしくなります。
また、エア・アウトレット・フラップ後方側から覗けるラジエーターパーツのモールドはベターッとした網目表現だけですので、三分割するように縦に二本の仕切りを入れてやると、それらしい表現になります。
無線機パーツは後部ウインドウから覗く位置まで移動するために、前側に 4mm、上に
2mm程持ち上げるよう、固定用の穴やボッチを無視して無線機パーツ下側にかさ上げ用の足を付けるなどしてやりますが、両脇に飛び出している四本のバーを胴体幅イッパイまで延長しておくと、さらに好くなります。
また、胴体内タンク無しの B/C初期型 としてやる場合は、余分に入っている A型用コクピットパーツ後半部などをツギハギで使用して、胴体左側の燃料注入口の撤去(パテ埋め ?)するなどの作業が必要になります。
マルコムフード使用時は胴体側にスライドレール のモールドの追加が必要ですし、アンテナもキットのアンテナ柱ではキャノピーがスライドできないので、ホイップアンテナという細いものをもう少し後方に着けます。
それなりに主翼付け根の捻り下げが表現されている右主翼端下面にある敵味方識別灯はいつものようにHOBBY SPOT U のパーツと素材をセットにした[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット] に入っている 赤・緑・アンバー を填め込んでおきました。
また、モールドで表現されている補助翼トリム・タブ・ロッドは、B型からは翼端寄りではなくフラップ寄りに移動されていますので、キットのも削り落として内側寄りへ移動してやるべきですし、パーツとして入れられている翼下のパイロンは D型以降のものなので、B/C型のものにするのであれば、タミヤを参考にして直すとよいでしょう !
主翼の機銃は、間隔が心もち狭いかな…という感じもしますが、左右とも外側のものが内側のものより低くなる(地平と平行になる)ようになっているなど、芸の細かい所を見せてくれているので、別パーツとして入っている銃身の先端に
0.3mmのドリル刃(48スケールサイズで 14.4mm と少しオーバースケールですが、0.2mm
では細すぎるのでこのサイズ)で銃口を開けておきます。
また、右側水平尾翼の昇降舵のトリムタブ操作ロッドが下面に付いているのは明らかに間違いですので、これも削り取って上面に移動しておきます。
主車輪ドアの開閉用ロッドは、説明書では明確には判らない部品番号35 のケーブルは使用せず、部品番号42
の開閉用ロッドを主車輪ドアの前部に付けるようにするだけでよいと思います。
なお、前述のように P-51 などのアリソン・ムスタングの時より実機で 2インチ高くなったという垂直尾翼は、同社の
P-51 のキットと比較してみると、垂直安定板の頭頂部で 0.5mmほど、方向舵後端では
0.1mmほどしか高くなっていませんが、タミヤの P-51B/C や ハセガワの P-51D
の垂直尾翼などと較べると、アキュレイトミニチュアの P-51B/C の垂直尾翼の方が
1.0mm 〜 1.5mm ほど高く作られていますので、今回はこのままで行こうと思います。
模型ライター氏の中には 「クリアーパーツの計器盤は、このスケールではあまり意味が無い」
というご意見(記事中の記載)もあるようですが、透明で計器類が凸モールドの場合は、計器の表側をフツーにツヤ消しか半ツヤ消しの黒で塗ってから、左の写真のように裏側を白色で塗装してしまいます。
本来ですと裏側に白色なんて塗らずに、ドライブラシで表側の計器類を浮き立たせるのがフツーなんでしょうが、僕のように塗装が下手な人間にとっては、必ずと言ってもいいほど余分な所に白が着いてしまうというような失敗をする確率の高いのがドライブラシの技法なので、ここはクリアーパーツの計器盤の利点を活かしてドライブラシではなく、表側の計器類の凸モールド部分の黒塗料のみを削り取って、裏側の白色を表側に透けさせて表現する
[削り出し] と、僕が勝手に名付けている技法を使用しています。
右の写真、上側が [削り出し] 技法で表現した計器盤パーツで、写真の撮り方や光の当たり方の違いがありますが、けっこうクッキリときれいに仕上がっているのではないかと思うのですが・・・
右の下側は、さらに計器類の表面のガラスを表現してみたものですが、撮影時の角度が違ったためか、ちょっとボヤッとした感じに写ってしまいました・・・このメーターガラスの表現は、以前は筆でエナメルか水性のクリアをチョボチョボと置いていったのですが、メーター枠からはみ出して流れてしまうという失敗をすることが多かったので、最近は失敗しても簡単にやり直しが利く、丸く切り抜いたOPPテープ(セロテープだと少し黄色っぽくなってしまいます!)という秘密兵器(?)をメーターごとに貼り付けていくという方法を採用しています。
さて、前述いたしました計器盤パーツの形状の修正ですが、現物合わせ(カット・アンド・トライとでも言いますか…)でやっていきますので、[組み立て]
の項でご紹介いたします。
◎ 細 部・組 み 立 て
基本的に組立に関しては簡単とは言えず、パーツ個々の状態で見た時はかなりいい感じに見えても、国産のキットを基準にできてしまう身には親切とは言いかねる説明書や、控えめに設けられたホゾや接着用のガイドなどとの関係で、いざ組み始めてみると難しい部分がかなり見受けられます。
コクピット内部などは、何も手を加えずに組み立てていくと左右胴体の合わせ目に隙間ができてしまいますし、隙間ができない位置まで計器盤を下げると、防眩シールドとの間が随分と開いてしまいますし、計器盤下の小パネルが床板パーツに設けられた燃料タンク切り替えコックパネルの裏側に入り込んでしまいます・・・
これを防ぐためには計器盤をはじめとするコクピットパーツの加工と、控えめなホゾや接着用ガイドの追加や補強などの手直しを加えてやる必要があります。
計器盤下から尾輪収納庫直前の胴体下エア・アウトレット・ダクトまで一体で作られた床板パーツは、計器盤下の小パネルが入り込んでしまわないように、燃料タンク切り替えコックパネルの裏側に
5mm角のスペーサーを設置、また尾輪収納庫の前に 0.5mm 位の隙間が開きますので、床板パーツと一体のエア・アウトレット・ダクト後端に
0.5mmのプラ板を貼り付けておきます。
右写真上側のようにノーマルとして作製するとA型用になる計器盤は、B/C型の防眩シールド裏側の形状に合わせて、右写真下側のように上部の両脇を削ってぶつかる部分を無くし、左右胴体の隙間が無くなるように調整、少し飛び出していて計器盤を斜めにしてしまう可能性のある左右のコクピット壁のパーツの先端部分も少し削っておき、さらに位置がずれないように見えない位置に大き目の接着ガイドを追加しておきました。
計器盤周りを削る時にラダーペダルに気をつけて持たないと、ラダーペダルを折ってしまう危険性がありますので、ランナーから外す前に修正加工をしておくというのも、一つのテクニックかもしれません・・・
胴体内下側には接着用ガイド以外に、胴体下エアインテーク内のAN/ARC-3用アンテナとオイルクーラー部分とエアダクトの仕切りなどを表現したオイルクーラー風自作パーツや胴体内タンクへのパイプ(真鍮線を芯にしてスプリングパイプとランナーで作製)などを追加で固定しておきました。
コクピット内のパーツを全部組み込んでいくと左のようになりますが、本来は防弾鋼板後の補強枠は左右胴体側のコクピット壁パーツ部に固定するようになっており、左右胴体貼り合わせ後に接着するのがフツーなのですが、今回は写真撮影用に仮付けしておきました。
シートベルトはアキュレイト・ミニチュアのキットにはデカールで表現したものが付いていますが、今回はそのデカールではなく、いつも使っている鉛板から自作したものを着けておきました。
操縦桿はキットに入っているパーツをそのまま使っていますが、グリップの頭頂部に赤の機銃発射ボタンを表現しておくと、ちょっとしたアクセントになります。
無線機は位置を修正し、後部ウインドウから覗く位置まで、前側に 4mm、上に
2mm程持ち上げるなどしましたが、あまり上に持ち上げると胴体内のリブ(竜骨
?)にぶつかりますので、確認しながら行なうようにしましたが、不安(面倒 ?)であれば前に移動するだけでも結構な効果があると思えます。
B/C型でドーサルフィン(背ビレ)付きなどに替えられている尾部パーツと共通パーツのメイン胴体との合いも、左側はツライチでピタリと収まりますが、右側胴体は多少の段差が生じてしまいますので、内側の固定用ベロ裏に
0.1mm のプラシート(バリでもいいです…笑 !)を貼るなどして、注意深く調整しながら接合してください。
尾輪は、塗装や工作の際に折ってしまう事が多いので後から取り付けるようにしようかとも思いましたが、収納庫の開口部が車輪が引っ掛かって引き込めないぐらい狭く作られているために、後から取り付け軸部分を差し込んでホゾに向けて回転させることができませんので、最初から挟み込んで胴体左右を接着してやることにします。
左右胴体の貼り合わせの時にも、段差無くピタリと合う部分は少なくて、微妙な段差がアチコチにできますので、僕はとりあえず防眩シールドの部分を基準にして合わせていきましたが、機首下面やコクピット後の胴体上面に僅かな段差が出てしまいました。
機首下面の空気取り入れ口ですが、リップパーツが僅かに低くて段差ができますので、
0.1mm のプラシートを挟んで持ち上げておき、リップパーツの方を軽くヤスって段差を修正してやると簡単に修正できます。
なお、スピナキャップの接合部や基部パーツのエッジ部分が少し盛り上がったようになって、少しだけオーバーサイズになっているので、軽く削って修正してやりました。
また、機首部分に差し込んでみると、思った以上に隙間が開いてしまっていたので、差込軸付け根のアールを少しなだらかにしてギャップを狭くしてあります。
それと、説明書に 「スピナー9 をスピナー後部10 へ反時計回りに少しずらして接着するとより実機のようになります。」
と書かれていますが、プロペラパーツの四本の軸が後部パーツの溝に嵌っているとずらせませんので、先端パーツの溝の方に嵌るようにしてからずらしてやってください。
ただし、スピナキャップの先端パーツは微妙なセンター(重心 ?)のズレがあるようで、先端パーツをつけていない時は軽く回るのですが、つけると差込軸の細さ(取り付け穴の大き過ぎ)との関係なのか、ブレが出て少しバタバタとします。
今回は差込軸に瞬間接着剤を何回かに分けて塗って、差込軸を一度太くしてから、取り付け穴の大きさに合うように耐水ペーパーで真円を保つように削って、ブレを少なくしておきました。
貼り合わせが終ったコクピット周りを外から見ると、無線機もちゃんと見えていますし、防弾鋼板の位置やヘッドレスト兼用のエマージェンシー・バッグの感じも、交換した照準器のリフレクターの雰囲気もそう悪くはないように思えます。
貼り合わせの前に、前述のように敵味方識別灯に [タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット] に入っている 赤・緑・アンバー を填め込んでおいた主翼は、上下面パーツの貼り合わせの際に多少のずれがあり、上面パーツの前後幅が少し広いので、前縁を基準にするとフラップなどの後縁側がほんの僅かですが下面パーツ後縁ラインからはみ出してしまいますが、胴体に取り付けてみるとフィレット後端から少しハミ出て
しまいます・・・これは、主翼上面パーツが大きいという単純な問題ではないということが、胴体フィレット部分との接合面とのズレを見ると解ります。
とくに右側が顕著なのですが、主翼上面の膨らみが落ちてしまったようになってしまって、フィレット部より高さが落ちています・・・つまりカーブしていた上面が平らに近づいた分だけ後ろに拡がってしまったことになります。
予防法としては、上下面の接着時に前縁と後縁のラインをシッカリと合わせて、膨らみの真ん中を押さえないこと・・・心配な場合は主脚収納庫の裏側にスペーサーを入れておくことを考えるといいと思います。
また、付け根に表現されている捻り下げ部分は少し無理な力が掛かっているせいか、後で剥がれてしまうことがありますので、接着をシッカリやっておく必要がありますが、主脚収納庫の裏側にピッタリと貼り付けてしまうと、前述の段差が大きくできてしまいます。
なお、胴体への取り付け時に上半角が不足気味ですが、主翼の真ん中にシッカリと造られた主脚収納庫がありますので、強制的に接着するだけではほとんど矯正はできません・・・なんとかしてやって見ようという場合は、主脚収納庫裏側の真ん中にノコで切れ目を入れて強制的に接着すれば、そのアサリ幅の分だけ上半角が付くと思いますが、表側の主脚収納庫の左右の隔壁の厚みを表面に出ないように真ん中辺まで二分するだけのテクニックが要求されます
!!
その他に上下面パーツの翼端部分にスキマができてしまうのですが、下面翼端側にあるダボの先端を少し切っておくと、これを防げます。
翼端部分の丸味が少ない感じがする主翼の形状は、先端部分の角張った部分に少し丸味をつけて修正し、補助翼トリム・タブ・ロッドは内側寄りへ移動、エルロン前方にあるべき上面二ヶ所・下面一ヶ所のフェアリングも追加しておくと、完成時にグッと見栄えがすると思います。
左翼前縁の着陸灯は透明のカバーだけなので、空洞になっている内部にライトっぽい物を透明ランナーから作って入れておきます。
こういった透明の小物パーツは透明パーツがついていたランナーを利用してやると、ちょっとした加工で簡単にできますので、ゼヒお試しになってみてください
!
D型以降のもののようになっている翼下のパイロンは、B/C型のものにするのであれば、タミヤを参考にして直すとよいのですが、もし
ICM の 1/48 P-51D のキットをお持ちであれば、タミヤの B型のパーツによく似た前期型のパイロンが余剰パーツとして入れられていますので、移植してやるのもよいでしょう
!
前述のようにパーツとしては入っていない胴体上部のループアンテナですが、ランナーを加工しての自作も簡単にできますし、他のキットや左の写真のように
[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット] に入っているパーツをトレードされてもいいと思います!
アンテナ柱は少し短いような気もしますし、胴体灯の形状もすこし前後に尖りすぎのような気もしますので、気になる方は直していただきたいと思います。
僕は完成時のバランスを見てみたかったので、今回はそのままで作製していましたが、やはり胴体灯や主翼の翼端灯は方向舵に設けられている尾灯などと共通のランプを使っていて、色付きや透明などのカバーによって色を変えていると考えるのが合理的ですので、米粒状のモールドになっている形状も丸型に直した方がいいと思って最後になって変更しました。
ただし、胴体灯とアンテナ柱の並びがキットでは、アンテナ柱>アンテナ引込み部>胴体灯
となっていて、僕もそのままで直してしまいましたが、並びの順番が、アンテナ柱>胴体灯>アンテナ引込み部
になっている写真もありますので、その点に関しては注意が必要かもしれません。
なお、アンテナ線は[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット] に入っている 0.03mm と 0.06mm のうち、 0.06mm の方を使いましたが、アンテナ柱から尾翼への張り線はされていなかったという説に従っています。
バードケージ・キャノピー仕様で開位置にする場合は、タミヤのキットに入っている開位置用のパーツをトレードしてやるのがてっとり早いのですが、前後幅が少し狭いので前後の断面部に
0.2mm厚のプラペーパーを貼り付けて調整してやるといいと思います。
また、排気管はフェアリング付きとフェアリング無しの両方が付いているので、余った方を他のキットに流用できるのですが、いかんせん戦時中の機体はフェアリング無しの機体の方が多かったので、結局フェアリング付きばかりが残ってしまいます・・・(^^ゞ
◎ デ カ ー ル
透明部分が薄く、乾燥後の仕上がりも悪くはないのですが、ちょっと水に漬け(浮かせ)過ぎるとバラバラに割れてしまいますので、台紙に水が滲みたら引き揚げて、糊がゆるんで動くようになったのを確認したら、できるだけ貼り付け位置にピッタリと置くように台紙からずらしながら移してやります。
位置の修正はできれば 20秒以内に・・・一部分でも乾いて(密着して)しまうと、チョットでも動かそうとすると割れてしまいますので、台紙の糊かマークソフターで浮かせておいて、”イッパツで決めてやる”ぐらいの気持ちで行なってください。
赤や黄色で印刷されているものは特に割れやすいようですので、気をつけて扱ってください・・・僕はプロペラのメーカーロゴマーク一枚と主翼フラップの
NO STEP の赤ラインを失敗しました !
プロペラのメーカーロゴマークは、二枚くらいは大丈夫だろうと思って二枚分を一緒に切って水(ぬるま湯)に浮かせ、取り出して一枚目は無事に貼れたのですが、二枚目に取り掛かろうとして、ピンセットの先で押した瞬間にバラバラに割れて修復不可能に・・・また、主翼フラップに貼る NO STEP の赤ラインは、浸け過ぎないように慎重に作業したのですが、動かそうとした瞬間に縦横に割れて、その後台紙の上で粉々になったので、アルマークデカールの赤ラインで置き換えました。
アキュレイト・ミニチュア(ACCURATE MINIATURES) のデカールで、左から #3418、#3419、#480012、#480013
となります。
こちらは ACADEMY #12303 のデカールです。
◎ 結局・・・
現物合わせの思いつきでいろいろな作業を繰り返しながら書いていますので、同じことの繰り返しのようになってしまい、読みにくい文章になってしまいましたけど、さすがに20年以上前のマニア向けキットとなると、簡単に組めるというわけにはいきません。
ただ、修正のポイントさえ抑えておけば、好き嫌いはあるかもしれませんが、手直しとある程度の妥協で、僕にとってはかなり雰囲気の好い
1/48 P-51B/C ムスタング が出来るって事は本当に幸せなことだと思います・・・これで価格がもうすこしお手頃だったら嬉しいんですけどね。
塗装がお好きな方には、購入時にドーサルフィンの有無でキットを選べるので、マーキングのバリエーションが多い別売りデカールとの組み合わせでいろんな塗装を楽しむベースにしていくのもいいと思いますが、工作が苦手で細かい事はあまり気になさらないという方は、組み立て簡単なタミヤのキットを選ばれるのも、選択肢の一つだと思います。
僕はタミヤの開状態バードケージのパーツとHOBBY SPOT U の[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット] に入っていたループアンテナのパーツを使用して、"PENNY" 1079 ☆ P-51C-10-NT(S/N.42-103903)にしてみました。
高校生の頃に同じ 530thFS/311stFG/14thAF の P-51C-10-NT(S/N.42-103896) "Princess" 1078
☆ として作製した、モノグラム(MONOGRAM) 1/48 P-51B/C ムスタング と並べてみました
!!
苦手意識があるせいか、塗装は高校生の頃からたいして上達していません・・・(>_<)
530thFS/311stFG/14thAF の P-51C-10-NT(S/N.42-103896) "Princess" 1078 ☆ に使用した、モノグラム(MONOGRAM) 1/48 P-51B/C ムスタング の詳細や組み立てに関しては、モノグラム(MONOGRAM) 1/48 P-51B MUSTANG の MODELING GUIDE をご覧ください。
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