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何年にも渡って繰り返されている例の話です !!(笑)
実機よもやま話1(BALD EAGLEの塗装 etc.)
実機よもやま話2(主翼付け根の張り出し etc.)
実機よもやま話3(H型の薬莢排出孔について)
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2007/01/24 記
2016/01/01 改訂
2017/05/23 加筆
by

友野 升太 & 富永 のぶる

◎  H型の主翼下面の薬莢排出孔の並び方
多くの図面で描かれている P-51H の薬莢排出孔の並びの疑問点です。

 

 ここにお借りした左の図面は[文林堂社刊 世界の傑作機 No.79 : P-51 ムスタング, D型以降]p.109にある渡辺利久氏が描かれた P-51H型の下面図で、他の多くのH型の図面と同じように、主翼下面に三つ並んでいる薬莢の排出孔の一番内側が半分ほど後ろにずれたように配置されています。

もちろん、存在する H型の図面の全てがそうではなく、右側の[DETAIL & SCALE社刊 D & S VOL.51(8251) P-51 Mustang Part 2]p.43LLOYD S .JONES氏の図面のように、D型のならびと同じように三つ並んでいて、その前にある二つのパイロンの着脱の穴(一部の書籍によるとリンクの排出孔?)もD型のように配置したものもあり、図面と同じようにキットも両方の配置のものが存在しています。

 そして多くの図面は前者の、一番内側の薬莢排出孔が半分ほど後ろにずれたように配置されている方の説をを採用しているのですが、数少ない下面が写されている [Specialty Press社 WARBIRD TECH SERIES VOLUME 5 : NORTH AMERICAN P-51MUSTANG] に載っている初期のH型(P-51H-1-NA : S/N 44-64164)のこの写真を見る限りでは、[DETAIL & SCALE社刊 D & S VOL.51(8251) P-51 Mustang Part 2]のLLOYD S .JONES氏の図面やヒストリックの 1/48 P-51H のキットの主翼下面パーツとまったく同じような配置になっていることが見て取れます。


 ただし、これが初期の機体だけで、後によく図面にあるような一番内側が半分ほど後ろにずれた配置になったのかどうかは、今のところ他の写真で確認ができていませんが、とりあえずD型のならびと同じように三つ並んでいるのが、必ずしも間違いではないという事は判ると思います。

ついでに言うと、この機体のランディングライトの位置は写真で見る限りにおいては、左の 世界の傑作機 の図面の位置よりも少し胴体寄りですので、右の DETAIL & SCALE の図面の位置に近いように見えます。

◎ アリソンエンジン搭載機種とマーリンエンジン搭載機種のコクピット床板の違い
いくつかのキットや発売時の紹介記事などで間違えられている P-51A までと P-51B/C 以降のコクピット床板の話です。
 資料として出回っているアリソンエンジン搭載機種 (P-51/A-36A/P-51Aまで) とマーリンエンジン搭載機種 (P-51B〜D/P-51K) の多くの図面で、キャノピー下端から主翼下端(下面)までが同じ長さ(高さ)で描かれているのですが、これは デルタ出版刊・月刊ミリタリー エアクラフト 2001年11月号(No.064) p.39:中段 からお借りした P-51-NA(s/n 41-37324)p.39:中段 からお借りした右の P-51B-10NA(s/n 43-7116) の写真をはじめとして、各資料集の写真をご覧いただければ、明らかにこの長さ(高さ)は違っているというのがお解かりいただけると思います。

 もちろん、写真の大きさだけではなく撮影された状況(カメラからの距離や角度)、使われた機材(カメラの種類・フィルムの規格・レンズの種類)の違いなどもありますので、右のように大きさや角度だけを合わせて簡単に比較することは出来ないのですが、数多くの写真を見ていただければ印象として明らかにこの主翼とキャノピーの間にあるパネルの長さ(高さ)は確実に違っているというのが感じられるのではないでしょうか・・・
また、このことがよく判る一枚として、同じ デルタ出版刊・月刊ミリタリー エアクラフト 2001年11月号(No.064) p.82:下段 にある XP-51B第二号機(s/n 41-37421) の写真もお借りしてご紹介しておきます。
 この写真はマーリンエンジンを装備して空気取り入れ口を機首下面に移動させた機首周りと、P-51B以降の特徴的な胴体下面の空気取り入れ口周辺以外は基になった機体の P-51 のままなので、機首からのラインが主翼の取り付け位置で一段上がったようにえぐれています。
もちろんこれは試作機ですが、単純にこのラインをスムーズにしたのが量産機だということではなく、いろいろな風洞実験や飛行試験を繰り返した結果だと思います。
 つまり、P-51と P-51B は降着装置が同じですので、幾つかの事象のために主翼の取り付け位置を変更する必要が生じたということであり、その事象として知られている事柄が、TACエディション編集・発行P-51ムスタング (モデルファイルNo.2/レプリカNo.51) に寄せられた 阿部孝一郎氏からの指摘による訂正文に書かれていますので原文のままで抜粋・引用させていただきますと、
「P-51A以前のアリソン・エンジン搭載型 と P-51B〜D,K のマーリン・エンジン搭載型の機体寸法に関する相違点のひとつに、機軸から主翼中心までの間隔の違いがあります。 マーリンエンジン搭載にあたってプロペラ直径が 5インチ拡大し、1°45′のダウンスラストが付いたため、スラスト・ラインは 1.5インチ上がったにもかかわらず、グラウンド・クリアランスが減ってしまうため、何らかの対策を必要としました。
 そこで主翼をアリソン搭載型 より下に 3インチずらして取り付けることで解決したのです。 側面写真を比較するとキャノピー下端から主翼下面までの距離がアリソン搭載型 のほうが短く感じられるのはこうした理由からです。 アリソン搭載型 ではコクピットの床は主翼上面そのものでしたが、マーリン搭載型では 3インチ分をかせぐためにベニヤ板の床板が敷かれています。 したがってタミヤの B型は間違いで、アキュレート・ミニチュアの B型が正しいことになります。 なお、マーリン搭載型ではエンジンの大出力化に伴い、垂直尾翼も 2インチ高くなっています。」

と、なっています。
 上の文中に "マーリン搭載型では 3インチ分をかせぐため" と、ありますが、これは主翼取付位置(主翼上面の位置)が 3インチ(76.2mm) 低くなったことによって下がってしまった視線の位置(視界)を改善するために、独立した床板を新設することでコクピット全体の高さを上げて視線の位置(視界)を元に戻したということですが、操縦桿の設置位置は以前のままなので、コクピット床板を貫通して操作しています。
従って A型まではアールの付いた主翼上面を利用した床面上に露出していた操縦桿からのリンケージ・アームは、これ以降 (C/D/K型までは同じように) 新設された床板の下を通ることになっていたはずです。
 そして、この 3インチ(76.2mm) がそのまま胴体に反映されているのならば、P-51A以前のアリソン・エンジン搭載型のキャノピー下端から主翼上面までの距離[高さ] (図面的にはキャノピー下端から主翼下面までの距離[高さ]) は、 P-51B〜D,K のマーリン・エンジン搭載型の物に比べて、1/72 だと 約1.058mm、1/48 だと 約1.588mm、1/32 で 約2.381mm ほど短く[低く] なっていなければならない…ということになります。

 また、"マーリン搭載型ではエンジンの大出力化に伴い、垂直尾翼も 2インチ高くなっています。" の記述に関しましては、現在その詳細を考証中ですので、詳細が判りましたら追加で記載したいと思います。
まぁ、2インチ(50.8mm)というと、模型になってしまうと 1/72 だと 約0.7mm、1/48 だと 約1.05mm、1/32 で 約1.6mm となりますので、どのぐらいまで模型に反映させるかは微妙なところかも知れません。


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