コグレ #NO.2(透明)![]() |
コグレ #NO.2(透明)![]() |
コグレ #コントラスト(メッキ)![]() |
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コグレ #銀 (黒メタリック)モールド ![]() |
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バンダイ #8505 (銀モールド) ![]() →ブログ参照 |
バンダイ #Pin Point Seiries![]() →ブログ参照 |
◎ 始 め に …
以前、[MINI GUIDE]として書いた記事ですが、完成させてショーケースに飾っていたいた
HO☆M "Petie 2nd" P-51D-15-NA (S/N 44-14151) が2011年3月11日の地震でショーケースごと倒れて、他の完成品やガラスの欠片と共にバラバラになって飛び散ってしまいました
! (>_<)
行方不明になっている細かいパーツや破片などもあり、どれぐらいまで修復できるかは判らないのですが、補修していく工程で作製当時には撮らなかった写真を撮るなどして、製作時にどのようにキットから改修したのかを併せてご紹介できればと思います。
まず、[オールスケールキットデータ] と記述が重複するとは思いますが、簡単なキットの紹介をさせていただきます。
モノグラムのファントム・ムスタングを参考にしたような内臓物(但しコクピット内のサイドコンソール類は省略されていてここだけホーク風)が見える透明キットと、外板ごとに調子を変えたホークのマルチテクスチュアと呼ばれるメッキキットを参考にしたような[コントラスト]と称されたメッキキットが有名ですが、それ以外に黒メタリックモールドもあり、成形色には関係なく内臓物は全てのキットに黒モールドのバーツで付いていましたし、外板ごとの調子の表現も違っていました。
また、エンジンパーツに内蔵したモーターへの電源供給とスイッチを兼ねた燃料車(電池入れ)やジオラマ風整備兵(モノの48のコピーっぽい)フィギュアのランナーも全てのキットに付いていました。
上の写真はコグレの透明と黒メタリックのキットを半分ずつ組み合わせたものですが、黒メタの外板カットは中学生の当時に糸ノコと金工用ヤスリを使って自分でシコシコとやったもので、キットがこうなっているわけではありません
! (^_^;)
余談ですが、コグレはこの金型がバンダイに移る前に、[有限会社 小暮模型製作所] から [株式会社 コグレ] になっていて、説明書の表示も変わっています。
[有限会社 小暮模型製作所] の説明図
[株式会社 コグレ] になってからの説明図
会社のロゴが変更になっただけですのでトップページ以降は省略します。
コグレのときはこんな感じで、けっこう詳細でしたが・・・
金型が移ったバンダイ製品になると、
モーターライズの廃止にともなって燃料車(電池入れ)やモノグラム 1/48 のコピーっぽい整備兵フィギュア、形が似ていなかった爆弾などの付いていたランナー一枚分が省略されていて、
説明書はこれだけになってしまいます・・・
バンダイでのパーツはこんな感じに・・・
※なお、この透明キットの金型がニチモに流れたのでニチモとコグレのキットが同じ物などという間違えた記述が一部のサイトにあったりしますが、このキットの金型がニチモに流れたという事実はなく、ニチモのキットとは明らかに別物で、ニチモが独自に開発したオリジナルキットを発売した1965年の時点では、コグレは1964年から発売している自社のこのキットを継続して生産・販売していましたし、コグレの金型が1967年にバンダイに流れてバンダイブランドで販売された時やその後も、ニチモでは2013年のプラモデル事業部の廃業まで、自社のオリジナルキットを継続して販売していました。
◎ キットは・・・
掲載した写真で、モーターの形に合わせた丸い断面のエンジンや厚みがなくてゴツゴツしたディテールの車輪、寸足らずの主翼機銃、そして、低いサイドコンソールとホークのキットのものによく似たシートの形状などがよく判ると思います。
スピナが一廻り短小で、機首先端との段差が目立ちますので、スピナキャップの後端に2mm厚分のプラ板を貼り先端を少し尖らせ修正するとグッと感じがよくなります。
モーター内蔵のために円筒状のシルエットになってしまったエンジンの収納の関係もあってか、機首上面の断面形は円に近いのでシルエットの修正が必要かも。
排気管は円筒状のシルエットになってしまったエンジンと一体でモールドされているので、エンジンを付けない場合は排気管を別に用意しなければなりませんが、、これはタミヤ
かモノグラムがピッタリと合います。
照準器はパーツとしては無く、計器盤から飛び出した丸棒だけの表現です。
主車輪は、ホイールのスポーク部分が別パーツですが、脚柱側は脚柱に固定された丸い板だけで穴などの表現も無く、タイヤ自体は薄くて細いうえに、オーバーな表現の凸の横線パターンばかりが目立ちます。
微妙に形状の違っている脚周りのカバー類ですが、主車輪ドアに主脚引き込み時の連動用ピンが二本ずつ出ているので、主脚の可動をやめてのディスプレイ時は、このピンを切断したほうが良いと思います。
また、尾輪は1/72用ぐらいに小さいのですが、それでも胴体内には完全には引き込まず、カバーも胴体と一体成型で固定されています。
主翼付け根の張り出しや主脚収納庫の形状はD型状ですが、胴体と張り出しの合わせ目部分が一直線ではなく、"
く (へ?) の字 " 状 の段差があります。
透明キット以外でも付いている機銃のパーツは銃身が短いのでそのままでは銃口が全部翼内に引っ込んでしまいますし、主翼の前寄りの位置に付けられているピトー管位置も要修正です。
胴体下面のエア・アウトレットなどに関しては全く表現されていません。
キャノピーはダラス型ですが頭頂部が尖りすぎで、ウインドシールド部分と分割されてはいますが、フレーム部分が胴体と一体なのでこのままで開位置にすることは不可能です。
でも、元型はホーク+モノグラムといった感じなので、サイドのシルエットは秀逸です
!!
ただし、水平尾翼に関しては左右一体で水平を出すのには苦労しないのですが、取り付け位置が少し前上方にズレていますので、このままで背ビレ無しの初期型にしようとすると、水平尾翼の上面が胴体から飛び出してしまってデッサンが狂ってしまいます・・・(^^ゞ
プロペラは四翅一体ですが、カフス付きのハミルトン・スタンダードとも、 K型用のエアロプロダクツとも、戦後のオール状のハミルトン・スタンダードとも違っていて、先端の丸いハミルトン・スタンダードからカフスを取り除いた
[H.S K-6523A-24] のような感じになっていますが、形状はイマイチ曖昧です。
◎ 修 正 開 始
もともとは透明と黒メタリックの二種類のキットを持っていて、片方を透明モデル、黒メタリックの方をカットモデルとして完成させてあったのですが、度重なる引越しの際に壊れてしまったので、上にも写真を載せましたが、クリアの半分と黒メタのカットした側とを組み合わせて、ハーフクリア・ハーフカット・モデルとして再生したのが、
[MUSTANG GALLERY:ジャンクボックスの王様] にある 架空自家用レーサー# 5 で、排気管の開口をしたのと、スピナキャップの後にプラ板を貼り付けて延ばした以外はほぼストレートに組み上げています。
修正後のものと並べてみるとこんな感じになります。
プロペラは四翅一体でカフス無しの先端が丸いハミルトン・スタンダードという珍しいもののようにも見えますが、これはあまり一般的ではないので根元の径がほぼ同一のタミヤのカフス付きハミルトン・スタンダードを使用することにして、スピナキャップの前後を接着、長さ不足と胴体機首先端との段差の解消のためにスピナキャップ後端に
2mm 厚のプラ板を貼り長さ・太さ・形状を修正しておきます。
胴体側機首にはエンジンの代わりにプラパイプで軸受けを作っておき、後からスピナキャップの軸を差し込めるようにしておきました。
エンジンパーツはベビーモーターを入れるために丸くて、ノーズもそれに合わせた形だったので、ありあわせのランナーとパテで自分の気に入る形状に整形しておきました。
また、今回はエンジンを付けないと決めたので、そのままでは排気管の位置に大穴が開いてしまうため、この穴に合う排気管を別に用意しなければなりませんが、、これはピッタリと合う
タミヤ のフェアリング付き の方を使いました。
今回の修正には幾つかのパーツをタミヤから調達していますので、ここにまとめて書いておきますね。
前述しましたプロペラと排気管の他に後部キャノピーと尾輪、そしてパーツではありませんがデカールを使いましたが、それ以外は
コグレ のパーツに手を加えての使用が基本となっています。
とは言っても、工作好きなものですから、気が付くとランナーとプラ板の廃材などからチョコチョコとコクピット内の小物などを作っていたりしますが・・・(^^ゞ
今回はキャノピーがガッチリと接着していて外れませんでしたから写真での紹介はできないのですが、コグレの
P-51D キットの弱点ともいえるコクピット内の照準器やサイドコンソールと機器類、パイロットシートや7つの穴が開いているキャノピー枠のブレースなどは、確か全部ランナーとプラ板の廃材などから造ったと思います。
左の写真の脚カバー類やランディング・ライトなどもそうです。
ランディング・ライトはキットに入っていた透明ランナーとパーツナンバーのタグの組み合わせで作っていますし、主車輪ドア、主脚カバーといった足周りのパーツはキットのものの外側に
0.2mm のプラ板から形状を切り出したものを貼り付けて、それらしく成形して使用していますが、主車輪ドアは、たしか丸い穴をあけたのを内側にも貼ったので、基キットのパーツを挟んだサンドウィッチ状にしたと思います。
機銃部分はキットのままではフェアリングの開口部から銃身が覗きませんが、接着位置を前に移動してフェアリングから飛び出させたとしても形状が全然違っていますのでそのままでは使えないと思います。
このような時に手っ取り早いのが、それぞれの銃身の不足している分だけ真鍮パイプを使用して延長してやる方法で、最内側のをブラストチューブ状に太目のもの、他の2本を銃口サイズのものにして長さを調整してやれば良いのではないかと思います。
ただ、今回の僕の場合は機銃パーツも付けませんでしたので、フェアリングの開口部から飛び出している部分だけの作製と割り切り、真鍮パイプも使用せず、プラの丸棒からそれぞれを削りだして貼り付けるだけにしてあります。
ただし、材質がプラの丸棒だったために、地震で落下した時に最外側の銃身が折れたようで、長さが不揃いになってしまいましたが、欠片があまりにも小さくて見つからず、ヤッパリ真鍮パイプにしておけばよかったと、今更ながらに後悔しています・・・^_^;
右翼端下面にある識別灯は、いつものように、ユウの[タミヤ1/48 P-51B/Dムスタング用「出るまで待てない」バリエーション・素材セット]に付いていた三色の識別灯用素材を貫通処理法で嵌め込んでおき、裏側に銀のアルミテープを貼り付けておきました。
主脚収納孔は形状はマアマアなのですが、可動式で引き込みが可能となっているために省略されている表現が多いので、周りを壁や天板で囲って箱状にしてやり、リブなどの表現やデッチ・アップ(それらしい"でっち上げ"という意味です…)で、主脚収納庫の表現になるように少し手を入れてみました。
主脚はオレオが縮んでいるのに収納庫にちょうど収まる長さがある(?)ので、可動をやめて軸受けに当たる部分を切り落として長さも縮めて固定にしたのですが、この主脚柱が一番破損がひどく、オレオから上の部分が見つからないので、作り直さなければならないと思います。
僕の基本姿勢は「キットに入っていたパーツで造ってやること」なので、主脚柱に固定されているホイールの裏側に穴をあけたり、タイヤの両面や接地面部分なども削ってそれらしく表現したつもりだったので、他のキットから持ってきたりはしたくないのですが、さすがにこれだけ紛失しているとキットのパーツでの再生は難しいかもしれません・・・(T_T)
そして胴体(フィレットの前方部分)と張り出しの合わせ目に現れる、張り出しのラインが一直線にならない
" く(へ?)の字 " 状 の段差 というのが右の写真ですが、これは胴体と主翼を固定してからでないとできない部分ではあるのですが、いちばん
P-51D らしさを表現するポイントになると思いますので、左の写真にある胴体下の二ヶ所のエア・アウトレットとともに、加工しておかれることをお奨めいたします。
◎ その後・・・
破損・紛失していた主脚柱は、結局安全ピンと太さがピッタリと合った真鍮パイプ、そしてプラの廃材などからなんとかデッチあげてみましたが、それ以外の部分にかなりヒビ割れや破損などがあり、単純に再組立・再接着だけでは再生は難しそうです。
右の写真のように薄いフラップ部分には何本かのヒビが走ってしまっていますし、主翼と胴体の合わせ目にもまたスキマが開いてしまったので、パテ埋めなどの処理をしていますが、このような細いヒビやガタガタになった狭い隙間は伸ばしランナーも使えないので、僕は苦手な部類です。
同じように、破損・紛失していた機銃口や左翼の翼端灯なども再生しておきました。
コグレのパーツでは長い状態だった主脚柱を切り縮めて、二回りぐらい小さかった尾輪をタミヤの尾輪に替えてやると、尾部も少し持ち上がりますので、地上姿勢の機首が少し下がります。
◎ で、・・・
前述いたしましたように、一部のサイトでこの透明キットの金型がニチモに流れたのでニチモの透明キットも同じ物という記述が見受けられますので、実際にキットを組み立てたものを並べておきます。
ただし、ニチモのものは色を塗ってしまいましたし、コグレのは自分で黒メタリックの外板をカットしてありますが・・・
たとえば、プロペラ一つをとってみても、コグレのは先端の丸い戦時中のハミルトン・スタンダード(ただし付け根のカフスが無い
K-6523A-24風 ) で、ニチモのは先端の四角い戦後のハミルトン・スタンダード(パドルタイプなどと言われている
6547A-6 ) となっていますし、コグレではキャノピーや各舵面は固定となっているのですが、ニチモのはオール可動をウリとして設計されていてキャノピーや各舵面は可動となっていました。
また、モーターを使用したプロペラの駆動方式もそれぞれのキットでは全く違っていましたので、下の写真をジックリとご覧になるまでもなく、まったくの別物だと判ると思うのですが・・・
同じキットだとお書きになられた方は、実際に両方のキットをお持ちになられて較べた上で、もしくはお持ちでないまでも、ちゃんとお調べになったうえで書いておられるのだろうか ? …という疑問が持ち上がってしまいます !!
左・奥 : コグレ(KOGURE) 右・手前 : ニチモ(NICHIMO)
初版で発売になった両社の箱絵が似ていたせいか、 それとも一部のサイトで
『このコグレの透明キットの金型がニチモに流れたのでニチモの透明キットも同じ物』
などという間違えた情報が流されてしまったせいかは判りませんが、いまだにこの二つのキットが同じ物だと思い込んでいる方がいらっしゃって、ニチモのキットをコグレのものだとしてオークションに出される方がいらっしゃるというのは、本当に困ったものです
!!
[ボックスアートデータ]にありますように、たとえ当時のニチモやパラマウントの箱絵の色合いやデザインがよく似ていたとしても、実際に中のキットをご自分の目でご覧になられていれば、上の写真や
[オールスケールキットデータ]の記述のように、この コグレのキット と ニチモのキット は、まったくの別物であることが判ると思うのですが・・・
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HO☆M "Petie 2nd"
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架空自家用レーサー
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