MENG #LS-005![]() |
MENG #LS-006![]() |
MENG #LS-006 RAAF Decal![]() |
MENG #LS-009![]() |
MENG #LS-010![]() |
MENG #AMS001(完成品)![]() |
MENG #AMS001(完成品)![]() |
◎ 始 め に …
2016年11月に日本国内で販売開始された Made in China の 1/48キットですが、スケール的には全長・全幅とも
3〜2.5mm位大きめ。 パーツ数は多いが基本的な部分は接着剤を使用しなくても組み上げていけるキットとして考えられています。
とはいっても、全くの接着剤不要かというとそうでもなく、また全くのオリジナルかというとそうでもなく、各部のモールドやパーツ割り、シルエットなどがソックリだったりするので、参考(お手本
? 元型?! ) にしたのが タミヤ の 1/32 P-51D/K [32D-12] だというのがバレてしまったりします・・・ま、僕の個人的な意見ですけどねッ。
一部の雑誌の模型評に、 3Dスキャンをして模型化したので、かなり正確な造形・・・みたいなことが書いてありましたが、まさかタミヤのキットを
3Dスキャンしたわけではないでしょうねェ・・・(;^ω^)
さすがにお手本が良いだけあって表面のモールドも細かいですし、主翼のフラップやエルロン、方向舵も別パーツだし、コクピット内や胴体内部パーツなども、お手本に忠実に縮小コピーされていますが、丸々のコピーというわけではなく、細かいパーツはある程度組んだ上で縮小コピーをするなど、大きめに作られたホゾ以外にも接着剤無しでの組み立て易さが考えられています。
まだ組み終わっていないので、ここではキットの紹介がメインとなってしまいますが、元キットの構成を全て取り入れた感じで、プロペラブレードやスピナキャップが二種類、キャノピーが二種類にバックミラーパーツ、機首両サイドのエア・フィルター・パネルのパーツが二種類、増槽二種類などの選択が可能なほかに、100lb爆弾まで付属しています。
ただし タミヤ 1/32 P-51D/K [32D-12] に入っていた飛行姿勢用のパーツやスタンド、M-10ロケットランチャーのパーツなどは付属していません。
なお、日本国内で販売されている LS-006 という品番の米国マーキングのものは
P-51D となっていますが、中国国内では LS-005という品番で中国空軍 の P-51D/K
というのが先に発売されています。 ただし、英文タイトルに PLAAF とするのなら、漢字での表記は 中国空軍 ではなく、 中国人民解放軍空軍 とするのが正しかったのではないかと思いますが、これは 中華人民共和国 の中国アピールなのかなぁ・・・
ところで、中国国内や日本国内で販売されている箱に、ボーイング社のライセンスマークが入っていないものがあるみたいだけど、いいんでしょうかね・・・トップの
#LS-006 の箱絵で左翼の下側、MENG のロゴとの間にある青いマークですが。。。
なお、2018年にはデカール替えバリエーションキットとして、イエローノーズのマーキングが
#LS-009 P-51D MUSTANG " YELLOW NOSE "というタイトルで発売になりましたが、あいかわらず
タミヤ 1/48 P-51D のキットが安く売られている店でなら二個買えるぐらいの日本国内での販売価格は、買いやすいとは言えないのが残念です・・・(;^ω^)
さらに2018年10月には #AMS001 NORTH AMERICAN P-51D MUSTANG SWEET ARLENE として、塗装済み完成品・スタンド付きが発売されます。
日本国内での輸入販売元はGSIクレオス(元グンゼ産業) ホビー部の展開する Mr.HOBBY
となっていて、品番なども少し変わるようで、サイトでは以下のように紹介されています。
↓
MENG MODEL #MAMS001 1/48 ノースアメリカン P-51 マスタング戦闘機「Sweet
Arlene」(完成品)
MENG MODEL 完成品モデルシリーズの第一弾は、1/48スケールのP-51Dマスタング。 機首に「Sweet
Arlene」(愛しのアーリーン)とペイントされた、陸軍エースパイロットのアーサー・R・バウアーズ搭乗機です。角度を調整できるディスプレイスタンド付き。 数量限定生産です。 出荷日:2018年10月31日
価格:20,000円/21,600円(税込)
と、いうことですが、この価格をどう思われるかは各人の判断にお任せしたいと思います・・・因みに海外のオークション以外のショップサイトでは
$134.95〜$182.62 と、なっています。
その後、もともと入っているカフス無しの方のペラを使用するように指示し、デカールを箱絵のマーキングに変更したキット
#LS-010 NORTH AMERICAN P-51D/K "8TH AIR FORCE" がバリエーションに仲間入りしています。
マーキングは・・・
* P-51D-10-NA, 44-14789,“MISSOURI ARMADA” G4☆E, Maj. John B. England, 362nd FS 357th FG, 8th AF
* P-51K-5-NT, 44-11622, “Nooky Booky IV” G4☆C, Maj. Leonard K. Carson,
362nd FS 357th FG, 8th AF
の、二種類となっていますが、箱絵になっている John B. England の乗機 “MISSOURI
ARMADA” は、資料によっては G4☆E ではなく G4☆H で、シリアルナンバーは
44-14709 だと解説しているものもあります・・・ただし、 G4☆H は “MISSOURI
ARMADA” になる以前の乗機だった "U'VE HAD IT!" の時のバズレターであることや、資料に数葉ある
“MISSOURI ARMADA” の写真も後部胴体のバズレターや尾翼のシリアルナンバー部分が明確に写っているものがないので、僕の中では間違いの可能性を指摘することはできても、どちらが正解なのかを確定できるほどの確証は持てていません。
また、2016年に発売になった モン(MENG) 1/48 #LS-006 NORTH AMERICAN P-51D
MUSTANG FIGHTER ですが、その翌年(2017年)に RAAF のマーキングデカールを追加して、製品番号などはそのまま、箱の右下にデカールを追加したことを表すシールを貼っただけで、モン(MENG) 1/48 #LS-006 NORTH AMERICAN P-51D MUSTANG FIGHTER RAAF Decals として限定発売されたものがありました。
以前のデカールのマーキングに、A68-797 のデカールを追加したものということなので、
*P-51D-25-NT, (44-84829→)A68-797, Royal Australian Air Force (1921-now) Military, Aircraft Research & Development Unit (ARDU)
のマーキングが追加されているということになるようです。
◎ 検 証
キットは箱の横に小さく "cement-free " と書かれているように、接着剤不要で基本の組み立てができるように設計されているので、仮組みは比較的簡単におこなえますが、組んでしまうと完成してしまいそうなので、今回は少し趣向を変えて、仮組みは組み立ての項で一緒にお伝えするとして、ここでは元キットと思われる
タミヤ 1/32 P-51D との説明書同士を比較しながら、実際のパーツの省略や違いなどを含めてこのキットを検証してみたいと思います。
また折角ですから、このキットの説明書では大雑把な指示になっている塗装指示についても、1/32
の説明書の指示を参考として追加するような形で書き加えておこうと思います。
たとえば左の モン(MENG) では[ダッシュボード]と書かれている計器盤周りのパーツは、 タミヤ のキットでは[計器盤の組み立て]として、デカール,透明パーツ,計器盤パネルの三パ−ツで構成された二種類の計器盤と三種類のスイッチパネルから、 D31 の計器盤と D48 のスイッチパネルの組み合わせを一体化したものを、ラダーペダルと共にダッシュボードパーツに付けるように縮小した感じになっています。
塗装指示は前述のように、パーツが小さくなってしまったためか、単純な一色だけになってしまっているものが多く、タミヤではフラットブラックとセミグロスブラックで計器盤とスイッチパネルを塗り分けた上に、グリーンやフラットレッドでの細部の塗り分け指示がされていますが、 モン(MENG) で一色の、それもなぜかグロスブラックの塗装指示となってしまっています。
次に右のコクピットの床板ですが、タミヤ では胴体内タンクまで一体で成形されていますが、
モン(MENG) では同じように一体で抜く技術がなかったためか、ほかの理由があったのかは判りませんが、胴体内タンクを別パーツにして、タミヤの
D15・16 のパーツは省略、シートは二分割のパイプフレームのみとしていますが、背あて部のクッションが付いているにしては厚さが薄いし、クッションなしにしてはパイプフレームのモールドがはっきりしていません。
防弾鋼板などはモールドの省略はありますが、パーツの構成はそっくりですし、シート後部の無線機とバッテリーのパーツも、大きさ以外はほとんど同じです。
塗装指示もヘッドレストをグロスブラックとしている以外は、全てインテリアグリーン(ヘッドレスト後ろの補器類は塗装指示なし)となっていますが、タミヤではヘッドレストをセミグロスブラックとし、シートや防弾鋼板などはインテリアグリーンとフラットブラックの塗り分け、ヘッドレスト後ろの補器類はセミグロスブラック、フラットアルミ、チタンゴールド、レッドでの塗り分け塗装指示となっています。
無線機とバッテリーもグロスブラック一色としていますが、タミヤでは留め具や細部をフラットアルミと指示しています。
さすがに 1/48 の モン(MENG) では左の タミヤ の図のようなエンジンパーツなどは付いていませんが、ウインドシールド内側の防弾ガラスパーツは付いていて、アンチグレア・シールドやダッシュボードの取り付けなどもそのままです。
ただし、アンチグレア・シールドの塗装指示がグロスブラックになっていて、タミヤのフラットブラックという塗装指示とは異なりますが、ここはやはり艶消しにした方が防眩シールドとしての役割が果たせると思います。
照準器はタミヤのように組み立て式のK-14 と N-9 の二種類が付いているわけではなく、透明パーツとして一体化された K-14風 のものが付けられているだけで、塗装指示もリフレクター部を除いてすべてグロスブラックになっています。
左側胴体内壁のコンソールパーツはフレーム部分を胴体側に一体化し、切り取ったコンソール部分だけを別パーツとしていますが、右側胴体内壁のパーツは酸素ホースを含めて全て胴体パーツに一体化したモールド表現とされています。
ちなみに、右側胴体内壁にモールドされている配電盤と後部警戒レーダー制御盤は、タミヤのパーツバリエーションで言うと
D17 と D1 の選択になりますし、多少のアレンジはされていますが、酸素ホースの曲がり具合なども、実によく似ています。。
また、VHF無線機や後方警戒ベルなどは、モールドの浮き出しが甘めですので、少し手を入れてやるか、塗装で浮き立たせてやる工夫が必要かもしれません。
コクピット内壁の機器やコンソール,ダイヤル,レバー類は、タミヤでは細かい塗装指示が書かれていますが、モン(MENG)
ではグロスブラック一色の指示しかありません・・・胴体内側はインテリアグリーン一色の指示なので、やはりタミヤの塗装指示を参考にして塗り分けをしていくとズッと楽しくなると思います。
なお、モン(MENG) では後部胴体下部は真っ直ぐに切り取られたようになっていて、尾輪収納庫を組みつけてから合わせるようになっているのは、タミヤのように尾輪収納庫部分だけを嵌め込むよりも組み易くしたのかもしれませんね。
ただし、タミヤのように飛行姿勢(尾輪収納状態)を選択できるわけではなく、モン(MENG)
のキットは地上姿勢だけです。
これは モン(MENG) のどのパーツでも同じなのですが、沢山の細かいパーツで構成されているタミヤの各部を組み立てて、縮小と巧みなアレンジを加えると、
1/48 のキットができてしまいます。
モン(MENG) のキットには ハミルトン・スタンダードと エアロプロダクツ の二種類のプロペラブレードが入れられていますが、LS-006
は P-51D となっているため、タミヤの 1/32 P-51D と同じように、説明書には
ハミルトン・スタンダード のものだけが説明されています。
右の図を見るとお判りいただけると思いますが、タミヤでは別パーツになっていたドーム・シールのパーツは、ブレードの前半分と一体にしてありますし、後部スピナーも一体にしてありますが、ブレードが正しい角度で固定される構成は
モン(MENG) でも同じになっています。
これは、このキットの説明書に書かれていない(P-51D/K のキットの方には記述がある)
エアロプロダクツ製プロペラ でも同じ構成になっています(実際の エアロプロダクツA-20-156-24M
にはドーム・シールは無いらしいですが…)。
機首両サイドのエア・フィルター・パネルのパーツは前述のように、32個の穴あきと穴無しの二種類で、残念ながら英空軍で多く使われていたルーバータイプのものは付いていません。
主脚収納庫も、タミヤ 1/32 P-51D のは庫内に見えるリブを一枚一枚組付けていく細かいパーツ割になっていますが、
モン(MENG) の 1/48 ではワンパーツにアレンジされていて、別パーツになっているのは庫内に装備されている着陸灯だけとなります。
主脚に関しても同じことで、オレオ、ブレーキパイプ、リンクアームなどの細かいパーツを、省略あるいは一体化し、主脚柱だけに簡略化されています。
ホイール部はゴム製だったタイヤ部分は、分割はそのままでプラに置き換え、裏表二分割だったホイールは一体化し、差し込むだけで組み上がるようにアレンジされています。
もし、脚周りをディテールアップしようとするなら、タミヤのパーツや説明図を参考にして、ブレーキパイプの追加やオレオ部分の彫刻の追加、ホイール部分のスポーク間の肉抜きなどを行うと
1/48 といえども、グッと見栄えが良くなると思います。
また、主脚のカバー類も主なパーツは貼り合わせてから縮小したようなパーツにした上で、接着剤不要で差し込むようになっています。
ただし、タミヤの時に左右で一体にして組み易くなっていた脚カバー開閉アームだけは、左右別々のパーツにして、それぞれを接着剤で固定するように指示してあります。
なお、タミヤのキットで飛行状態の時に使用する、左右で一体になった閉状態の主脚カバーは、 モン(MENG) の 1/48 ではそのままでは飛行状態にはなりませんが、主車輪ドア部分だけを左右一体の閉位置パーツにして、地上でも閉じた状態の主車輪ドアを選択して再現できるように考えられています。
主翼の動翼は別パーツのままで 1/48 にされていますが、可動を目的としたヒンジではなく、接着剤不要のためのタブなので、フラップは下げ状態で固定されるようになっています。
翼下の装備については、増槽ラックは一種類に簡略化されたうえで、75ガロン金属増槽
と 108ガロン強化紙製増槽 と、タミヤ 1/32 と同じものが付属していますが、爆弾はなぜか小さな
100ポンドのものになっています(タミヤ 1/32 P-51D/K では 500ポンド爆弾です)。
そして、キャノピーはタミヤの三種類の中から二種類(イングルウッド型とダラス型)が付けられていますが、キャノピーのセンターに前後に走ってしまっているスライド金型によってできる合わせ目の線が意外と目立ってしまっています。
ただ、1/48 の "cement-free " に アレンジはされていますが、パーツの基本構成は 1/32 とほぼ同じなのはここに揚げさせていただいた組立説明書の図などでお解りいただけたのではないかと思います。
とは言っても、全くの接着剤不要というわけにはいかず、例えばキャノピーの場合もバックミラーのような細かいパーツの固定など、細かいパーツの固定には"接着剤が必要"と、
モン(MENG) 1/48 の説明書に書かれています。
◎ 修 正 開 始
購入はしたのですが、まだ作製を開始していないので、申し訳ありませんが詳細な修正部分などの考証もできていません。
かといってキットデータのワンポイントだけでは書ききれない部分がありますので、取り敢えずMini Guide としてup させていただき、このあと、修正・組立などが進みましたら順次書き足して、そのつど更新
していきたいと思います。
◎ 細 部・組 み 立 て
◎ デ カ ー ル
カルトグラフ製で、米軍仕様の #LS-006 の方は、
* 308thFS/31stFG/15thAF John J. Voll 機 HL☆B " AMERICAN BEAUTY
" P-51D-15-NA(S/N.44-15459)
* 356thFS/354thFG/9thAF Richard Turner 機 AJ☆T " SHORT FUSE SALLEE
" P-51D-15-NA(S/N.44-15622)
の二種類となっています。
#LS-005 の PLAAF仕様の方は、マーキングの機体についての資料が不足で、詳細がまだ判っていません。
キットにはプロペラ が二種類入っていますが、ブレードに貼るメーカーロゴマークのデカールは ハミルトン・スタンダード社 のだけで、残念ながら エアロプロダクツ社 の三角おむすびに三枚ペラみたいなマークが、どちらのデカールにも入っていません。
そのくせ、プロペラブレード先端の黄色部分はデカールでしっかり入れられています。
モン(MENG) の付属デカールで、左が #LS-005、右が #LS-006 となります。
2018年に発売になった #LS-009 のデカールは
* 353rd FS/354th FG/9thAF Bruce Carr 機 FT☆I " Angel's Playmate
" P-51D-20-NA(S/N.44-63497)
* 376th FS/361st FG/8thAF Donald Vulgamore 機 E9☆V " Jasper Joker II " P-51D-10-NA(S/N.44-14803)
の二種類となっています。
◎ 結 局 ・ ・ ・
箱の横に小さく "cement-free " と書かれているように、接着剤不要で組み立てられるにも拘わらず、まだ組み立てには着手していないのですが、箱の
KIT INFO に 全長:全幅 が 205mm:236mm (48:47.6)と書かれていましたので、取り敢えずサイズの計測だけ行ってみたところ、全長(スピナキャップ短):全幅
は 208.2(206.4)mm:237.5mm となっていましたので、47.2(47.6):47.5 と、計測誤差や組み立てによるパーツの重なり合いなどがあるかもしれませんが、スケール的には全長・全幅とも 3〜2.5mm位大きめといったところでしょうか ?!
そして、このキットの大きな問題点は日本国内での販売価格の高さではないかと思います・・・あちこち歩いてみた限りでは多少のバラツキはありますが、だいたい消費税込みで四千円超から五千円前後という感じで、タミヤや新しいエアフィックスの
1/48 P-51D キットとの価格差を考えると、よほどこのキットのデキや表現が好きという方か、パチパチキットが好きという方以外はムリに購入しなくてもいいキットなのかもしれないと思いました・・・(;^ω^)
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