REVELL #03944 2017年10月発売 ![]() |
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REVELL #85-5989![]() |
REVELL #03838 P-51D late version 2021年発売予定 |
◎ 始 め に …
2017年10月にドイツ・レベル(Revell GmbH & Co. KG) で販売開始された 1/32キットですが、箱には
Made in Poland の文字が見えますので、金型やキットの生産はポーランドで行われているのかもしれません。
箱に記されている大きさは 30.0cm・35.2cm となっていますが、僕の実測値では 308.1mm・353.5mmとなりましたので、スケール的には全長・全幅とも 1mm位大きめの 1/31.9 ぐらい・・・ただし、2018年3月になってようやく日本国内でも販売されたばかりで、僕自身もまだ購入したばかりのパーツの状態での計測ですので、計測誤差や組み立て後の上反角、パーツの重なりなどを考えれば、ほぼ 1/32 かもしれません。
パーツ数は多いように見えますが、機首部分にはエンジンが付いているわけではなく、各舵面やアクセサリーとバリエーションパーツをのぞくと、その多くは胴体内に組み込まれるコクピット周り、オイルクーラー/ラジエーター周り、主脚周りや尾輪収納庫周りをパーツで組み上げていくキットとして考えられています。
タイトルに P-51D-5NA とあるように、胴体パーツは後部胴体部分が分割され、基本となるパーツに
ドーサルフィン無しの後部胴体と羽布張り表現のエレベーターパーツなどがモールドされた少し小さめのランナーを加えて構成されたキットになっています。
ただし、共用部分となる胴体前半や主翼下面には、後期型用のモールドが施されているため、パテ埋めをするように指示されている箇所が何か所もあります。
プロペラブレードは B/D型の大戦中での標準仕様、カフス付きの ハミルトン・スタンダード
J-6523A-24 となっています。
4翅一体のモールドで、前後分割のスピナキャップとプロペラ軸、ドームシールのパーツで構成されており、胴体には最後に差し込むだけになっています。
機首部分にエンジンは用意されていなくて内側がガランとした感じなので、エキゾーストとフェアリングが別パーツになっていて、フェアリング付き/フェアリング無し
の選択ができる排気管は、取り付け時にしっかり固定しておかないと、完成後に機首部分を持つと内側に落ちてしまう恐れがあるように思います。
その下方に位置するエアフィルターの蓋板パネルも、一般的な 32個の穴あきのもの/英軍機に多いルーバー付きのもの/穴無しのもの、の三種類が用意されています。
コクピットや胴体内の表現にはかなり力を入れているようで、計器盤パーツにはメーター枠のみがモールドされていて、計器の文字盤・指針などはデカールで入れられていて、その上を覆うアンチグレアシールドは
リブ付き/リブなし が用意されていたりします。
シートはバケットシートとパイプフレームの両タイプが入っていますしコクピット床板は当然ですが平らな独立したものになっているだけではなく、操縦桿はコクピット床板ではなく、その下のアールの付いた主翼上面状の部分(主翼は下面だけではなく上面パーツもコクピット部分を挟んだ左右一体になっています)に着けられて、下に3インチ下げて主翼を取り付けた分の高さを稼ぐためにその上に設けられた床板を操縦桿が貫通している実機の状態が上手く再現されています。
完璧とまでは言えませんが、胴体の骨組みに囲まれたコクピットや胴体下の空気取り入れ口からの複雑な構造を再現した冷却システム周りなどは、もしかすると
モノグラムのファントム・ムスタングとか トランぺッターのキットのような透明外皮や、造形村のキットのような一部カットモデルの可能性を視野に入れているのではないかと思えるほどで、模型としてのツボを押さえたこだわりをみせています。
また、各舵面は可動ではありませんが全て別パーツになっていて、フラップは
アップ状態/ダウン状態 の選択ができます。
飛行状態での完成も念頭に置いているようで説明書にも書かれていますように、主脚カバーは飛行状態用に閉状態の左右一体でモールドされ、地上姿勢時は切り分けて使用するという、ちょっと面倒くさい構成になっていますが、尾輪収納庫扉は地上姿勢時は胴体内に組み込む尾輪収納庫左右のパーツに開状態でモールドされていますし、飛行状態の時は尾輪収納庫左右パーツは省略して、左右一体の尾輪収納庫扉を着けるだけとして、簡略化できるようにもなっています。
75ガロン増槽や108ガロン強化紙製増槽、500ポンド爆弾などのアクセサリーと一緒のランナーにモールドされている主車輪は、左右に走る斜めの線が交差する菱形が連続しているパターンのものになっており、ホイールのスポークは10本、裏側の穴も10個で、きちんと抜けています。
クリアパーツのキャノピーはタイトルによって入れ替えるためか、小さなランナーに分かれていて、今回はスライドキャノピー部は当然のように
イングルウッドの一種類だけ、照準器は -5NA の時は N-9 のはず(スロットルレバーはN-9の仕様)ですが、説明書の絵を見るとK-14かと思ってしまうぐらいにパーツの形も曖昧なのですが、塗装をすればそれらしく見えるのかもしれません・・・(;^ω^)
なお、説明書の塗装図では、敵味方識別灯が左翼下面翼端に描かれていますが、キットではちゃんと右翼下面の翼端に着くようになっていますのでご心配なく ! (^ω^)b
箱には Made in Poland と書かれていますので、どうやら金型もポーランドで作られているようですが、なぜか
Made in India と書かれている エアフィックス の新しい 1/48 MUSTANG と構成が似ている部分がありますので、その辺りはまた組み立てながら検証していきたいと思います・・・まぁ、ほかにも参考にしたキットがあるみたいですけど、後発のキットがそれまでに発売されたものを研究・参考にするのは、ある程度は当然ですからネ。 (
^ω^ )b
◎ 検 証
取り敢えず前述のように、スケール的には全長・全幅とも 1mm位大きめの 1/31.9
ぐらいですが、パーツの状態での計測ですので、計測誤差や組み立て後の上反角、パーツの重なりなどを考えれば、ほぼ
1/32 かもしれません。
パーツをあちこち眺めまわしていると,、もちろんスケールの違いによる省略やデフォルメなどに違いはあるのですが、前述したように
エアフィックス の新しい 1/48 P-51D とパーツ割りや構成に似ている点が多くあり検証に値すると思うのですが、それ以上に見れば見るほど雰囲気や表現が似ていると思えてしまいます。
たとえば左側のパーツ写真は、上が エアフィックス 1/48 下が レベル 1/32 の尾輪収納庫の基本パーツ(右写真は左が
レベル 1/32、右が エアフィックス 1/48 )ですが、とても良く似た基本の骨組みに開位置の尾輪扉が固定された左右の内壁を貼り付ける構成になっています。
とは言っても、レベル 1/32 の方は胴体下の空気取り入れ口から続いた骨組みでコクピットの床板とは分割されていますが、エアフィックスの 1/48 の方は胴体タンクまでもが一体でモールドされたコクピット床板から続いた骨組みとなっているので、チョット見ではパーツ構成としては違うように見えますが、実際に組み上げていくと胴体下の空気取り入れ口の一部分から繋がっているのだということが判りますので、発想というか、構成が同じなのだということが判ると思います。
この 1/32 では複雑な胴体内のリブで囲まれたコクピットの床板や内壁のコンソール類ですが
1/48 ではリブ部分は割愛されコクピット内壁部分のみを胴体内側に貼り付けるように構成されているのですが、このコンソールやパネルなども、照準器の違いによるスロットルレバーの形状の違い(こちらは
-5NA なので、N-9照準器用のレバーになっている)などはありますが、とてもよく似ています・・・
この -5NA のような前期D型の特徴の一つである昇降舵はちゃんと羽布張り表現になっていて、エアフィックス
1/48 の後期D型の昇降舵の金属外皮との違いを表現しています。
それと関係しているもう一つの外見上の特徴であるドーサルフィンですが、もちろんこのキットは
-5NA となっているので装備しておらず、実機でも分かれて組み立てられている後部胴体部分を別パーツにして、ドーサルフィン無しの尾部を表現しています。
この部分の分割方法が エアフィックス 1/48 D型 との大きな違いで、レベルの方は前述しましたように実機の製造工程のように後部胴体部分を別にした、タミヤ
1/32 P-51D と同じような分割方法、エアフィックスの方は 造形村 1/32 P-51D
に近い、実機の尾部をさらに細分化したような水平尾翼の取り付けラインに添ったラインでの分割となっている
(ただし、造形村のキットは水平尾翼安定板が実機のように左右一体で成形されていますが、エアフィックスは一体ではなく分割差し込み式となっている)
のが、大きな違いだと思います。
とは言っても、その後に用意されている方向舵のパーツは、右の写真 (上がレベル、下がエアフィックス) のように、とてもよく似たものになっています。
さて、主翼パーツを見てみると、このキットの一番の特徴かもしれませんが、主翼上面パーツが左右一体で成形されています。
これによって、 造形村 1/32 P-51D と同じ様に(ただし、造形村キットの上面パーツは一体ではなく、左右に分割されています)、実機のコクピット床板の下に存在していて操縦桿が設置されている主翼上面部分が表現されるようになっています。
主脚収納庫近辺の構成・分割処理は、レベルもエアフィックスも左の写真のように、1/32
の タミヤ や 造形村 のキット以降でやたらと目にする、収納庫以前をバックリと切り欠いたような分割方法となっています。
ただし、このキットでは主脚カバーや主車輪ドアは、フライングモデル時にも使用できるように一体でのモールドとされていて、地上姿勢時は四つに切り離して使用することになっているので、主車輪ドアや主脚カバーの裏側のボリューム感は少々不足している感じがします。
こうして主翼を並べて見ていますと似たようなラインと筋彫りで構成されていますし、レベルの説明書でパテ埋めを指示している、下面に並んだ零距離ランチャー装備時のモールドは、エアフィックスの主翼下面にも同じようにモールドされています。
まぁ、右翼下面の敵味方識別灯の取り付け穴の大きさが少し違うので、まったく同じに見えるわけではないのですが、それにしてもよく似た印象のキットだと思わざるを得ません・・・
とは言っても、発売時期が エアフィックス の新しい 1/48 P-51D が2017年8月、レベル
1/32 P-51D-5NA が2017年10月と近いわけですから、もしかしたらこれはコピーというわけではなく、同じ原型からそれぞれのメーカーが自社の考え方に合わせてアレンジして出来上がったキットなのかもしれません・・・
そう考えると、分割方法は違うのですが エアフィックス の新しい 1/48 P-51D がドーサルフィン付きの後期型で、レベル
1/32 P-51D-5NA がドーサルフィン無しの前期型なのは、同じドーサルフィン付きの機体にしてしまうと、似ていることがハッキリしてしまうからではないかと思えてしまいます・・・(;^ω^)
◎ 修 正 開 始
◎ 細 部・組 み 立 て
申し訳ありませんが、まだ購入したばかりで組立を開始していません。 組み立て始めたら修正部分と共に随時記事を更新していきたいと思います。
◎ デ カ ー ル
デカ−ルに Printed in Italy 、説明書に Decals Designed by Barracuda Studios
と書かれています。
マーキングは二種類で、
* U.S.A.A.F 375th FS/361st FG/8th AF E2☆C "LOU IV/ATHELENE " Thomas
J. Christian P-51D-5-NA (S/N 44-13410)
* U.S.A.A.F 363rd FS/357th FG/8th AF B6☆B "DESERT RAT " Cap.
Hershel Pascoe P-51D-5-NA (S/N 44-13714)
となっています。
◎ 結 局 ・ ・ ・
まだ組み立てていないので、全体の形状の良しあしなどの詳細は判っていないのですが、今後も日本国内でタミヤや造形村のキットの半分程度の価格でこのキットが買えるのであれば、これから出されるであろうドーサルフィン付きの後期型や、プロペラブレードをエアロプロダクツのものに変えた
K型 だけではなく、M10ロケットランチャーのパーツを追加したものや大戦後の櫂状のハミルトン・スタンダード (H.S 6547A-6)に零距離ランチャーと5インチHVARロケット弾
を入れた -30NA など、使用各国や ANG などのデカール替えも含めれば数多くのバリエーションキットが発売されると思いますので、主なバリエーションぐらいは買ってもいいかなァ・・・と思ってしまいます。
2019年に発売になったデカール替えバリエーションキット、 レベル(Revell) 1/32 #85-5989 P-51D-5NA MUSTANG Early Version ですが、こちらは #85-5989 という製品番号で判るように アメリカレベル からの発売となっています。
パーツの変更は特にはなく、単純なデカール替えのようですのですが、デカールの右下隅に
15989-0240z P-51D-5NA ©2019 Revell GmbH V01.01 と記されていますので、印刷などはドイツレベルなのかもしれません・・・
マーキングは 二種類ですが、どちらもけっこう有名な機体で、写真やカラー図も比較的多く確認できるので、資料探しなどでもかなり楽しめるのではないかと思います。
*P-51D-5-NA, 44-13318, "Frenesi", C5★N, (Lt. Col. Thomas L Hayes Jr.), 364th FS, 357th FG,
*P-51D-5-NA, 44-13321, "CRIPES A' MIGHTY 3rd", HO★ P, (Maj. George Preddy), 487th FS, 352nd FG,
また、あるサイトで今年の新製品として、 ドーサルフィン付きの後期D型 のキットが
Revell 1/32 #03838 P-51D Mustang late Version として発売されるという記事が載せられています。
(ただし、検索で出てくるのは箱絵写真などではなく、レストアされた実機の離陸時の写真だけです。)
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