2015年4月にチェコで発売された、1/72 の新金型のキットで、現物は6月初めに国内でも販売が開始されましたが、キット(パーツの写真をクリックすると大きく表示されます)を見た限りでは、タミヤ、アキュレイト・ミニチュア、アカデミー
などのキットなどを参考にしているような気がします。
バージョン(デカール)替えはキャノピーの違いを含めて五種類ですが、キットそのものはB型もC型も米軍仕様も英軍仕様も、マルコムフードとバードケージの違いだけで基本的には同じですので、今回は米軍仕様の三種類(B型マルコムフードを
二個 とバードケージB,C型 各一個)を購入しました。
B型マルコムフードの二個が黄色と赤になっていますが、これは箱の左右のサイドで色が違っているだけで今回の
KP の箱の統一デザインです。
スケールはキットの 全長:全幅 が 136.5mm:156.9mm なので 72:71.9 と、ほぼバッチリの
1/72 でスケール表示どうりとなっています。
2016年に OEM で AZmodel からも、箱とデカール(マーキング)を替えた P-51B Mustang の バリエーション四種類(バードケージ3種・マルコムフード1種)が発売されました
発売されたキットは、AZ #7513 P-51B Mustang 'Captured' が ドイツや日本で捕獲された機体の三種類のマーキング、AZ #7514 P-51B Mustang 'Foreign Services' が スイス、スウェーデン、中華民国などの諸外国空軍の三種類のマーキング、AZ #7515 P-51B Mustang 52nd Fighter Group が四種類のマーキング、AZ #7516 P-51B Mustang 357.FG Aces(このキットだけキャノピーがマルコムフードです) が四種類のマーキングとなっています。
また、マルコムフードで増槽付きの箱絵となっている AJ☆A "DING HAO
! " には増槽やパイロンのパーツは入っていませんし、バードケージ・キャノピーの実機写真も存在しています
!
なお、2016年のクリスマスに KP(Kovozavody Prostejov) からもデカール替えのバリエーション #CLK003 で、マルコムフードのブルーノーズの機体 P-51B "MUSTANG"pilot Lt. Edwin Heller ( PZ☆H : P-51B-5NA/sn.43-6704) という一機種一マーキングの格安キットが発売されたという報せが入ってきました。
その後、2017年にはAZmodel から、ドーサルフィン付きの胴体後部パーツと増槽パーツを加え、デカール(マーキング)をラウンデルに替えて #AZ 7568 Mustang Mk.III ”Dorsal Fin” とした バリエーションが発売され、2018年にはさらにデカール替えで米軍機仕様の
#AZ 7588 P-51B Dorsal Fin USAAF が発売される予定です。
ただし、この AZmodel の #AZ 7568 & #AZ 7588 は日本国内での価格がやたらに高くて、一番安い価格の KP(Kovozavody Prostejov) #CLK003P-51B "MUSTANG"pilot Lt. Edwin
Heller の2.5倍以上となっています !!
◎ パーツ





このキットの登場によって、アカデミーB型[72B-12・13] のキットの主翼前後幅の広過ぎをどのように修正すればよいのかがハッキリと解りますし、直す時の治具としても利用できるので、アカデミーのキットの修正がかなり楽にできるようにになりました。
ただし、アカデミーの主翼とピッタリと重なるということは、前縁の角度が少し急になっているということかも知れませんので、アスペクト比がどうこう…と仰られる知識のある方にはあまり向かない方法かもしれませんが・・・
ちなみに主輪ドアや主脚カバーなどは相互に流用が可能なぐらいソックリです。
アカデミーのパイロンが別パーツで B型のになっていたら、増槽や爆弾も流用できたのに・・・
弾倉パネルの筋彫りの位置は正しいようですが、B型の特徴的な主翼付け根前縁の捻り下げが表現されておらず、また、下面の薬莢排出口(Mustang I のようになっています)や、敵味方識別灯の位置が多少疑問(アカデミー72のように気持ち後ろ寄り ?!)だったりしますし、水平尾翼には上下面に点検口がモールドされているなど、疑問点もあります。


タミヤ、アキュレト・ミニチュア、アカデミー を参考にと書きましたが、この ペガサスのキットをも含めて参考にして開発したと思われるように、排気管後の小パネルのように表現が同じになっている箇所があったりします !
とは言っても、KP のキットは 1/72 にもかわらず、1/48 のスナップタイトキットのペガサス(PEGASUS HOBBIES) では省略されてしまっている機銃(段違いになっている銃身)や着陸灯などがちゃんと表現されていたりしますが・・・




なお、コクピット内のパーツは計器類がモールドされてラダーペダルと防眩シールドが一体になった計器盤(右上のメーターが斜めに欠けていたり、デカールも付いていますがなぜか白と黒に色分けされています)や照準器、サイドコンソールまで細かくパーツを分割(一体で抜けなかっただけかも…)しているのですが、B型以降は新設されて平らになったはずの床板に、アリソンエンジン搭載型のような主翼上面状のアールが付いていたり、操縦桿の表現がリンケージ・アームが露出しているところまで同じだったりするので、参考にしたのが国内のどのキットだかが判ってしまうところがあります・・・t(;^ω^)b
また、コクピット両側面のモールドは細かく彫刻されているのですが、特徴のある酸素マスクのホースなどは省略されています。




しかも、右の写真のようにアカデミー の収納庫と、細かいモールドは違っているものの、大きさや庫内に見えるリブと配置がまったく同じになっていたりします。
排気管はフェアリング付きとフェアリング無しの二種類が用意されています。
水平尾翼には上下面に点検口がモールドされていたり(本来は下面側に点検口はありません)、エレベターのタブ・ロッドが左右とも上面に付いている(正しくは左尾翼エレベーターのタブ・ロッドは下面側)など、片手落ちな部分も見受けられます。
B型とC型のキットの違いはデカールのみでドーサルフィンはどのキットにも無く、マルコムフードorバードケージキャノピーは後部胴体部分まで一体成形のパーツ替えで別バージョンのキットとして発売されています。
このキャノピーは後部胴体の一部が含まれる形式ですが、マルコムフードのパーツの後部胴体部分に在るはずのスライドレールは残念ながら表現されていません。
また、#KPM0030 の B型マルコムフード の箱絵に描かれている増槽はパーツとしては付いていませんし、前述のようにパイロンのパーツや主翼下面の取付け穴もありません。
とは言っても、主翼付け根の形状と主脚収納庫の形状をある程度正しく表現した数少ないキットで、 1/72 B/C型 では、このキットとモノグラム[72B-01] 、レベル[72B-10・11] だけとなっています。